社会人野球・スポニチ大会予選最終日となった3月8日、エイジェックはTDKと対戦した。試合は序盤にワンチャンスをものにしたTDKが2対0で勝利。一方のエイジェックは、敗れはしたものの2投手のリレーで相手打線の反撃を断つなど、今シーズンの期待が膨らむ成果もあった。

“元阪神リレー”を披露したエイジェック・石井将希(左)高野圭佑(右)

 この日、エイジェックの先発は石井将希(元阪神)。昨年から加入した左腕は、初回を難なく三者凡退で抑えるが、続く2回、3回と連打を浴びて失点。その後は本来の投球を取り戻し、丁寧にコーナーを突く投球で、4回までTDK打線を抑え込んだ。味方の反撃を待つ石井だったが、5回に二死一、二塁と走者を溜めたところで降板となった。

 あとを受けたのは、栃木ゴールデンブレーブスから今季移籍をしてきた高野圭佑(元阪神)。「先発が良い分、自分に期待されるのはこういう場面で抑えること」と、緊迫した場面でマウンドに上がる。高野はここを1球で切り抜けると、続く6回を3人で抑え、大きくガッツポーズした。次のイニングでマウンドを降りたものの、回跨ぎの登板で1回1/3を投げ抜いた。

 石井、高野の両投手はともに元阪神の選手だ。ここ数年、社会人野球に元NPB選手が参戦するケースが増えてきたが、エイジェックはアスリートのセカンドキャリアをサポートする側面が強い。ルートインBCリーグのセカンドキャリアカンパニーに就任しており、選手としての活躍の場を提供するだけでなく、人材の総合プロデュース企業として、キャリアセミナーを行うなど様々な角度で支援をしている。

 この日の先発石井は普段、アカデミー事業に携わり社業を行っている。「野球に携わる中で、アカデミーがあるのも決め手だった」と石井が言うように、セカンドキャリアを見据えてエイジェック入団を選択する選手も少なくないという。

 投打がなかなか噛み合わず、スポニチ大会予選敗退という結果に終わったエイジェックだが、悔しい結果にも高野は「この3連敗という経験は決して無駄にしてはいけない。これを活かして日立市長杯に向けて準備をしていきたい」と力強く語り球場を後にした。

◆試合結果
3月9日 浦安市運動公園野球場
TDK
011 000 000=2
000 000 000=0
エイジェック
(王子)佐藤、大関、 権田、木場- 奥村
(エイジェック)石井、高野、安藤、竹内-岡島、山村
二塁打:エイジェック内田(7回)、TDK奥村(9回)