リーグ戦、カップ戦ともに好調を維持しているサンフレッチェ広島。劇的な逆転勝利あり、大量得点での快勝ありと、今シーズンもファン・サポーターを楽しませてくれている。

 今回は4月上旬までの戦いを振り返りながら、サンフレッチェ広島OB・吉田安孝氏に、ベストゲームを熱く語ってもらった。

(データは全て4月6日の取材時点)

鹿島戦での2得点以来、3試合連続でゴールを上げているドウグラス・ヴィエイラ。

◆ベストゲームはわずか“3分”の間に2点をあげて勝利を飾った鹿島戦

 今月号のベストゲームをあげるとすれば、ドウグラス、エゼキエウの2選手がスーパーなプレーを見せ、終了間際に逆転した鹿島戦でしょう。

 あの試合の前半は鹿島の良さが存分に発揮され、サンフレッチェとしては非常に苦戦を強いられる展開でした。大きく試合が動く場面は多くはありませんでしたが、非常に見応えのある 〝玄人好み〟の試合だったのではないでしょうか。

 同点弾となったドウグラスの得点はPKから生まれましたが、あのPKは、厳しい球際の戦いを制して佐々木翔がもぎ取ったものでした。

 そして決勝弾となったドウグラスの2点目も、実にサンフレッチェらしい得点でしたね。

 満田誠が激しいプレスの末にボールを奪取し、中野就斗からエゼキエウ、そしてエゼキエウからドウグラスへとパスがつながりました。あの局面でエゼキエウのパスの出し先としては、満田、川村拓夢の2シャドーという選択肢もありました。しかしそこで、一番厳しいながらももっともゴールに直結するところを選択し、決勝点を呼び込みました。エゼキエウの好判断もあった1点だったといえるでしょう。

 試合終盤であっても諦めない意識を全員が持っていたこと。

 それが、劇的逆転勝利につながったのではないかと思います。

広島アスリートマガジン5月号は、「まだ見たい!もっと見たい!」勝利を知る経験者たちの魅力をお届け!カープ3連覇を支えた投打の主力たちの現在地に迫ります。