◆本当に幸せな時間だった

 5年間の監督生活で惜しくも日本一に輝くことはできなかったが、球団史上初のリーグ3連覇という偉業を成し遂げ、結果を残してきた。ユニホームを脱いで半年。改めて監督時代をこう振り返る。

「改めて(3連覇を達成した)この事実を振り返ると、自分自身だけの事で言うならば、すごく運が良かったと思います。野村謙二郎監督時代から鍛えられてきた若い選手が育ち、少しずつチーム力が上がってきた中で自分が監督となり、同時に黒田博樹、新井貴浩がカープに復帰してくれました。若手、チームの柱となるベテランといろんな戦力が整ってきた中で、3連覇を監督として、一緒に戦ってきた仲間たち、そして25年間悔しい思いをさせ続けてしまったカープファンのみなさんと一緒に喜びを分かち合えたというのは、本当に幸せでした」

 「監督としての喜びはチームが勝つこと。それが自分の仕事」。決して口数が多い監督ではなかったが、ただ勝利のために自らが信じる采配に徹し続けてきた5年間だった。今後は一人のカープOBとして、第二の野球人生を歩み、カープを見つめ続けていく。