これまでにない過密スケジュールでの戦いを強いられる佐々岡真司新監督。今季の采配面の見どころをカープOB・笘篠賢治氏が語る。

53年ぶりの投手出身監督として2020年シーズンを戦う佐々岡真司監督。

◆攻撃と守備のバランスをどのようにとるのか!? その感覚が最大の見どころ

  指揮官として初めて戦う佐々岡新監督ですが、いきなり異例のシーズンを戦っていかなければなりません。通常のシーズン以上に経験による差がものを言いそうなシーズンになりそうです。ですが、そんな中でも結果を残せなければいけない世界というのは佐々岡監督自身が一番理解しているところでしょう。

 もちろん選手たちの状態が良ければ、監督の負担は自然と減りますが、今季のカープの場合は練習試合において打順、そして勝利の方程式も手探りの状態が続いていました。それだけにファンのみなさんも不安な部分はあるかもしれません。

 私が今季のカープに注目している点は、攻撃と守備のバランスをどのようにとっていくのかという点です。投手出身監督なだけに、投手を含めた守りの野球を展開していきたいと考えているでしょうが、練習試合の様子を見る限り得点を奪うためにはピレラやメヒアを使いたいところ。ただ、彼らには守備の穴が多いのも事実です。試合を勝ち切るためには、どこかで守備にシフトするタイミングがあるはずですが、そこをどのように考えていくのか、ある程度手探りの部分はあるでしょうが、佐々岡監督の中では得点の取り方も含め、どのような“勝ちパターン”が描かれているのでしょうか。特に今季は10回で試合が終了するだけに、早い決断が要求されます。スピード感に富んだ攻守の切り替えが戦いの鍵を握ると見ています。