昨シーズンはリーグ全34試合に出場し、うち32試合でスタメン起用。ほぼすべての試合で90分間フル出場を果たした左CBは、今季も広島の『鉄壁DFライン』をタフに支えている。今シーズン、広島9年目を迎える佐々木が見つめてきた、サンフレッチェの変化と進化。

 ファン・サポーターの期待と注目高まるなか、新たなタイトル獲得を誓うキャプテンの言葉をお届けする。

(取材は3月30日に実施)

広島で9年目のシーズンを迎えた佐々木翔

◆時を経ても戦力を落とすことなく、進化を続ける広島

ー佐々木選手は広島で9年目のシーズンになりますが、2015年に加入された当時の広島と、現在の広島とではどのような変化・進化があったと感じていますか。

「うーん……難しい質問ですね。時間が流れていけば、当然、チームのメンバーもガラリと変わります。僕が広島に移籍した当時からいる選手は、もう5、6人になっているんじゃないでしょうか。単純に比較するのはすごく難しいので何とも言えないのですが、そうした世代交代がありながらも、昨シーズンはチームとしてもしっかり上位に行くことができましたし、カップ戦では優勝することもできました。そういった意味では、広島というチームは時を経ても戦力を落とすことなく、しっかり維持しながら進化し続けていられるチームなのだと感じています。昨シーズン、ルヴァン杯で優勝という結果を残すことができたので、より一層自信を持ってそう言えるようになったと思います」

ー移籍1年目の2015年、チームはJ1リーグ優勝を果たしています。そして移籍8年目の昨シーズン、ルヴァン杯優勝を経験されましたが、心境に違いはありましたか?

「2015年のリーグ優勝時は主力としてずっと出場し続けていたわけではなかったので、他の主力として活躍し続けた選手たちに比べると、少し物足りなさのようなものも感じていました。やはり、出場し続けながら優勝を経験したいという気持ちはありました。このチームにいる以上は何かを返したいという気持ちもずっとあったので、昨年はシーズンを通して試合に絡みながら優勝をつかむことができて、本当に『念願が叶った』という思いでした。ここにくるまでかなり時間もかかってしまいましたし、心配な時期や苦労した時期もありました。そうした時間を乗り越えて過ごしてきたからこそ感じるものもあったので、ルヴァン杯の結果は本当にうれしく感じましたね」

《プロフィール》
佐々木 翔1989年10月2日生、33歳/神奈川県出身
高い守備能力を持つ左CB。2022年シーズンは34試合ほぼ全試合で先発し、フル出場を果たしたタフな選手でもある。2016年に右膝前十字靭帯断裂の大ケガを負うが、2018年戦列復帰。2020年からは広島のキャプテンを任される。2023年シーズンは、青山敏弘の20年、柏好文・林卓人・柴﨑晃誠の10年に継ぐ在籍歴(9年目)となる。