栗林良吏、大瀬良大地の離脱など、投手陣が想定外のアクシデントに見舞われたカープだったが、チーム一丸となった粘り強い試合で事前の評判を覆す戦いぶりを見せている。

 ここではカープOB・大野豊氏がシーズン前半戦を戦うカープを独自の『視点』で解説する。(取材は5月10日)

開幕から好調を維持している秋山翔吾(右)

◆守護神の離脱は誤算も、チーム勝率は5割を維持

 開幕直後は苦戦し、どうなることかと思っていましたが、5月半ばを迎えて徐々に調子が上がってきている印象があります(取材は5月10日)。栗林良吏の故障という大きな誤算もありながら、勝率5割前後を維持しているというのは、開幕前の評判や開幕直後の状態から考えても、よく頑張っているのではないでしょうか。なんとかこの調子を維持しながら、5月末からの交流戦に臨んでもらいたいものです。

 そのためにも、打線のさらなる奮起が期待されます。4月から調子が良いのは菊池涼介、秋山翔吾、西川龍馬の3人です。野間峻祥、坂倉将吾、そしてマクブルームとデビッドソンといった外国人野手たちはまだまだ期待通りの働きをしているとは言えません。そんななかでも勝率5割をキープできているということは、裏を返せば、彼らが期待通りの働きをしてくれるようになれば、勝てる試合がまだまだ増えてくるということでもあります。デビッドソンは本塁打を6本打っていますが(5月10日時点)、内訳を見ると5本がソロです。得点圏のアベレージも1割を切っていますから、もう少し好機で頑張ってもらいたいところです。ただ、そんな状態であっても本塁打は打てているわけですから、この先状態が上がってくれば打線のつながりも生まれ、より得点できるようになっていくでしょう。力のある選手であることは間違いありませんから、早く目覚めてほしいと思っています。そして、投打がしっかり噛み合った戦いを期待したいですね。