2023年シーズン、1年ぶりの公式戦出場を果たし、WEリーグで自身初のスタメン出場も勝ち取った呉屋絵理子。後方からチームを支えるDFが、スタメン起用を通して感じた手応えとは。
(取材は5月5日)
◆応援してくれる方たちに、何かを感じてもらえる試合を見せたい
─ジェフ千葉のFW・呉屋大翔選手を兄に持つ呉屋選手ですが、サッカーを始めたきっかけは、お兄さんの影響だったのでしょうか。
「はい。最初は兄の練習について行っていて、小学4、5年生の頃から本格的にプレーするようになりました。最初の頃のポジションはFWで、むしろそれしかやったことがないタイプでした。DFをするようになったのは、大学2年の頃です。チーム事情もあり色々なポジションでプレーをするようになって、最終的にCBに落ち着いた、という感じでした」
─今シーズンは、初のスタメン起用もありました(1月7日・AC長野戦、△0ー0)。あの試合を振り返っていかがですか。
「自分はあまり緊張しないタイプなのですが、あの試合は1年以上ぶりの公式戦という舞台でもありましたし、いざピッチに立つと思った以上に緊張してしまいました。試合自体はクリーンシート(無失点)で終わることができたので、DFとして最低限の仕事はできたと思いますが、自分自身のプレーや自己評価という点では『全然ダメだったな』というのが率直な感想でした」
─その後もスタメン起用が続きましたが、試合を通しての手応えと課題は?
「長所であるビルドアップやコーチングも含め、中断期間中のトレーニングで積み上げてきたものを発揮したかったのですが、自分自身はあまり納得のいかない内容だったと感じています。ただ、そんななかでもI神戸を相手に引き分けた試合もありました(3月26日、△1ー1)し、新潟L戦では逆転勝ちもできました(3月21日、○2ー1)。これらの試合は、自分にとってはとても大きな経験になったと思っています。一方で、守備の部分や、強度の高い相手と対戦した時に自分の持ち味をどう出していくかという点は、まだまだ課題だと感じています。模索しながら取り組んでいきたいですね」
─レジーナに加入されて3年目ですが、広島での生活には慣れましたか?
「はい。オフに行った場所で特に印象に残っているのは宮島です。島の中で食べ歩きもできますし、雰囲気も良いですよね。オフは割と外出をするタイプなので、(増矢)理花さんと一緒にいることが多いかもしれません。相性というか、テンションが合うんですよね」
─今シーズンの試合も残りわずかとなりました。最終盤に向けて、ファン・サポーターのみなさんにメッセージをお願いします。
「チームとしては、少しでも順位を上にという思いで残りのシーズンを戦っていきます。支えてくださるファン・サポーターのみなさんに『レジーナ、上手くなってるな』と言ってもらえるような、何かを感じ取ってもらえるような試合を1試合でも多くお見せすることができたら良いなと思っているので、応援よろしくお願いします」
《プロフィール》
呉屋絵理子(ごや・えりこ)
1997年1月27日生/兵庫県出身/DF
兄の影響でサッカーを始め、大阪桐蔭高を経て吉備国際大に進学。2019年からAS埼玉(当時・なでしこ2部)所属。2020年に愛媛L(なでしこ1部)に移籍し、2021年からはS広島Rでプレー。