─打席に立つと、スイッチが入るタイプですか?
「打席もそうですが、チャンスの場面であればあるほど“やってやるぞ”と思えるので、いつもより気持ちが入るのは確かですね」
─あの打席は初球からフルスイングと決めていたのですか?
「初めて対戦する投手なので、タイミングを合わせて初球から思いっきり振っていこうと決めていました」
─多くのカープファンの方が足を運んでいたかと思います。マツダスタジアムの雰囲気はいかがでしたか?
「たくさんお客さんが入られていたので、『すごいな。いつかこの舞台で僕も活躍したい』という気持ちになりましたね」
─3月24日に行われた二軍の地元開幕戦では5打数5安打3打点とこれ以上ない、非常に良いスタートだったと思います。結果を残していくなかで、改めて好調の要因はどこにあると思いますか?
「とにかく思いっきり振るとか、投手の傾向とかは意識していました。ただやはり、対戦が2周目になると、相手もプロなので今は研究されてきたなという感じです」
─対戦投手の攻め方が変わったということですか?
「めちゃくちゃ変わりました。僕は初球から振っていくタイプなので、初球から落ちる系の球を投げてくる投手が増えましたね。あとはインコースで避けさせて、という感じが多いです」
─“プロの洗礼”というものでしょうか。
「そうですね。乗り越えないといけない壁なのかなと思っています」
─攻めや配球が変わるなかで、ご自身では技術的なことを変えるのか、思考を変えていくかのどちらなのでしょうか?
「落ちる球が増えてきたので、少しゾーンを上げるというのは意識しているのですが、そこで三振を怖がって振らなくなったら、成長はないと思っているので、どんどん振っていこうと思っています。たとえ三振して、次の日にスタメンを外れたとしてもそれで良い。またいつかチャンスが必ず来る。という感じで考えています」
─非常に切り替えをうまくされているんですね。同期である久保修選手、名原典彦選手はともに大卒の外野手となります。中村選手にとって彼らはどのような存在ですか?
「誰かをライバル視していることは今の所ないですね。僕自身の立場も立場なので。やるべきことをやるという感じです」
─お二人とはよく会話をされますか?
「野球はもちろんプライベートも心強い存在で、お互いの部屋に行ったりして、結構いろんな話をしますね」
後半へつづく
●中村貴浩(なかむら たかひろ)
2000年4月9日生まれ、福岡県出身。177cm/85kg/右投左打/外野手
九州国際大付高ー九州産業大ー広島(2022年育成ドラフト2位)