連覇を目指したルヴァン杯ではまさかのグループステージ敗退となるなど、苦しい試合が続いたサンフレッチェ。リーグ戦上位進出・天皇杯突破に向け、昨シーズン同様、夏場での浮上にも期待が集まっている。

 ここではサンフレッチェOB・吉田安孝氏に、試合のキーマンとなる選手、印象に残ったシーンを熱く語ってもらった。

(データは全て6月6日の取材時点のもの)

5月後半からスタメン機会が増加。広島『鉄板』の3バックに食い込んでいる住吉ジェラニレショーン

◆『良い守備からの良い攻撃』で、勝点を積み上げたい“勝負の夏 ”

 スタメン起用が増えているDF・住吉ジェラニレショーンも、試合ごとに存在感を増してます。

 守備の場面で見せる1対1の強さ、体の強さはもちろんのこと、『力強さのなかにもスピードがある』という本人の持ち味をしっかり発揮してくれています。足下の技術にも年々成長が感じられ、『鉄板』と呼ばれる広島のDFラインに割って入り、将来チームの中心になってくれる選手の一人だと言えるでしょう。

 5月は、試合後半の立ち上がりや終了間際に失点してしまった試合が多く見られました。ずっと言われていることではありますが、これらの時間帯は、特に集中してプレーしなければならない場面です。

 ただ、広島が目指す『良い守備からの良い攻撃』を実現し、ショートカウンターを何度も発動することができれば、この先、勝ちを積み上げていくことは十分に期待できると思います。

 スキッベ監督の目指すサッカーは、運動量の求められるハードなサッカーです。

 昨シーズンは夏場もこのスタイルを継続し、相手の運動量が落ちたところで連勝を重ねて上位に抜け出しました。今年も厳しい夏がやってきますが、昨年から築き上げてきたサッカーで、勝点を積み上げてくれることを期待しています。