3年連続最下位と鬼門とされていた交流戦は、9勝9敗と5割で終えた。ペナントレース再開後も、巨人とのカードを勝ち越しするなど、好調を維持している。ここではカープOB・笘篠賢治氏に、選手の変化や今後の注目選手について語ってもらった。

ホームランを放った西川龍馬とハイタッチする、坂倉将吾。

◆交流戦を終えて感じた好材料

 カープは、交流戦を9勝9敗と勝率5割で終えました。貯金をつくることはできなかったものの、苦手としていた交流戦で失速することなく戦えたのは、プラスに捉えたい要素です。そして6月13日の楽天戦以降、4番での出場を続け、安打を量産している西川龍馬の状態が良くなったことは、チームにとってさらにプラスの材料となっています。

 今季の西川の打撃フォームを見ていると、これまでは、身体が沈み込み過ぎていた部分が伺えたのですが、現在は修正されてきているように感じます。もちろん相手投手により変化はありますが、膝を曲げている角度が自然体になっています。おそらく西川本人もバランスの取り方など試行錯誤しながら、ここにたどり着いたのでしょう。

 西川は感性を大事にする選手であると私は思っています。自ら様々な工夫をし、取り組んでいると思いますので、このままケガさえせずに出場を続けていれば、必ず今後の試合も好成績を残してくれることでしょう。

 そしてもう一つ注目するのが、坂倉のキャッチングです。最近は、球を“パチン”と芯で捕れるようになっています。先日、マツダスタジアムで石原慶幸バッテリーコーチに話を聞くと、「フレーミングの意識よりも、キャッチングの距離感の問題じゃないか」と言っていました。まさにこのあたりが改善してきているのだと思います。

 捕手としては、試合で数多く球を受けることで、自身の引き出しも増えていくことでしょう。成長するには時間がかかるポジションですが、チームとしても、少しずつ、着実に進歩してくれることを願っていることでしょう。今後も會澤翼との併用は続いていくと思いますが、捕手としての余裕が少しずつ出てきて、打撃にも良い影響を与えているはずです。首位DeNA(6月28日現在)の勢いもすごいですが、カープの力が劣っているわけではありません。徐々に差を詰めていけるよう、捕手・坂倉の活躍にも期待したいです。

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