チームトップクラスの対人守備と、恵まれた身体能力。時に相手に立ち塞がる壁となり、時にそのスピードで相手を翻弄する。広島加入3シーズン目を迎えたDF・住吉ジェラニレショーンに、今シーズンの軌跡を振り返ってもらった。

プロ4年目、広島移籍3年目のシーズンを迎えた住吉ジェラニレショーン

立ちはだかる『鉄板3バック』の壁。移籍3年目でつかんだチャンス

ーサンフレッチェ広島に移籍してからここまで、なかなか試合に絡む機会がつかめないなか、どのようなモチベーションでサッカーと向き合っていたのでしょうか。

「ここまでは、結構長い間、試合に出る機会がなく、ベンチにも入れないという状況もありました。広島の3バックは国内でも有名で、なかなか強烈だということは知っていましたが、そこに割って入ってスタメンをつかむことを目標にやってきたので、正直、うまくいかず落ち込む時期もありました。ただ、自分が決めた以上はやらなければいけないという思いはありました。広島で何か結果を残したいという思いもありますし、それが一筋縄ではいかないということもわかっていました。いろいろな人に支えてもらって、モチベーションを保つことができていました」

ー今シーズンはプロ4年目のシーズンとなりますが、プロ1年目と比べて自分が最も変化しているところはどのあたりだと感じていますか?

「そうですね……なんだろう。『サッカーって難しいな』とは思います。学生の時は、ひたすらがむしゃらに、サッカーの戦術などはあまり理解せずにやってきていたところはありました。自分はプロの世界に入ってから戦術などを学んだので、学んだことが目に見えて結果に結びつくようになるのは楽しいなと思いますね。自分の成長や、『これができるようになった』ということを感じられると楽しいです。試合のなかでできなかったことが、次の試合ではできるようになる。そういう自分の変化を楽しみにできるようになったのは、プロ1年目と比べて変わってきた部分ではないかと思っています。自分自身としても、まだまだ、もっと成長していかなければいけないと思っているので、ファンのみなさんにも期待していただけたらと思います」

住吉ジェラニレショーン
1997年10月5日生 25歳/アメリカ合衆国出身
サンフレッチェでも随一の高い身体能力を持つDF。対人守備の強度はチームでもトップクラスで、スピードも武器の一つ。サッカーを始めた当初はFWとしてプレーしていたが、国士舘大時代にDFにコンバートされ才能が開花した。MF・柴﨑晃誠、DF・塩谷司、MF・柏好文は国士舘大の先輩にあたる。大学卒業後の2020年、水戸に加入。2021年7月に広島に完全移籍。

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