思わず心を奪われる! カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、広島アスリートマガジンWEBで、新たなカープの魅力を切り取る。今回は、オギリマが「母のような気持ちで見守ってしまう」という『若鯉』について、オギリマ視点でゆる~く取り上げる。

オギリマサホが期待を寄せるカープの「若鯉」たち(イラスト:オギリマサホ)

 小学生の時、プロ野球選手というのはオジサンというイメージだった。それがお兄さんになり、同級生になり、年下になり、今や自分と同い年の選手は一人もいなくなってしまった。それどころか、自分と同い年の選手が監督になる時代が到来した。ちなみに私は「黒田博樹の一学年下、新井貴浩の一学年上の倉義和世代」である。

 現役選手たちを見てみれば、年下というよりも、もはや息子と言ってもおかしくないくらいの年齢の選手たちが頭角を現している。特にシーズン終盤のこの頃は、さまざまな状況で若手選手が起用されることが多くなってきている。私が母のような気持ちで見守ってしまう、いわゆる「若鯉」を取り上げてみたい。

【二俣翔一】

 2020年、育成ドラフト1位で入団し、昨年オフに支配下登録を勝ち取った二俣。今季はウエスタンリーグで最多となる81安打を放ち(9月21日現在)、フレッシュオールスターでも好守備を見せるなど活躍している。そんな二俣が9月3日、特例抹消された曽根海成の代替指名選手として一軍に初登録された時、私は思わずSNSで「二俣君頑張ってぇ」とつぶやいてしまった。まさに母のような気持ちである。残念ながら出場機会はなく、2日後に登録抹消されたが、今後もきっとまたチャンスは巡ってくるだろう。

【久保修】

 久保もまた、9月20日に特例抹消された秋山翔吾のかわりに一軍登録された。今年のルーキー10人(育成選手も含め)の中で、河野佳、中村貴浩、益田武尚に次いで4人目の一軍登録となった。こちらも出場機会がなく、2日後に登録抹消されたが、一軍でプレーを見て見たかった。

【益田武尚】

 そのルーキーで3人目の一軍登録となったのが、ドラフト3位入団の益田である。8月10日に初めて一軍登録されたのち、その日のヤクルト戦(神宮)で初登板。0-7という大量にリードされた状況で、村上宗隆らヤクルトの主力選手を三者連続三振に切って取る快投を見せた。以降も好投を続けており、9月21日現在で防御率1.64という成績を残している。この後、重要な局面での登板が増えるのではないかと、ひそかに期待している選手である。

【田村俊介】

 9月に入って益田とともに期待が高まっていたのが、高卒2年目の田村である。西川龍馬に代わって9月12日に一軍登録された田村は、その日のヤクルト戦でプロ初安打を放った。そこから6試合連続安打を記録し、いったいどこまで続くのかとワクワクしていた矢先に、投球が左手を直撃して小指を骨折、離脱を余儀なくされた。本当に残念なのだが、「ケガをしっかり治して、また出ておいで~」という母のような気持ちにさせられているところだ。

 他にもカープの未来を担う期待の若鯉は多くいる。10年後、彼らが主力となっているカープを想像するとともに、その時は孫を見るような気持ちで眺めているのかしら、と思いを馳せてみたりする。