2023年、元日。初優勝の歓喜に湧く桐蔭横浜大の輪の中に、中野就斗の姿はあった。大学日本一という結果を携えトップチームに加入した今シーズン。即戦力として期待されたDFはシーズン序盤から出場機会を得ると、日本代表クラスの相手にも当たり負けないフィジカルの強さを遺憾なく発揮し、瞬く間に先発メンバー入りを遂げてみせた。「思った以上に高かった」というプロの壁にぶつかりながらも、戦いのなかで成長を続ける中野就斗が、プロ1年目のシーズンを振り返る。

(インタビューは2023年10月に実施)

本職はDFながら、スキッベ監督のもと、WBとしても頭角を表した。

同世代のチームメートの存在が刺激に。同い年には『負けられない』

ー2023シーズンは、試合のたびにサポーターの動員数が増えていた印象です。紫に染まったスタジアムでプレーをする感覚はいかがでしょうか。

「本当にたくさんの方たちに応援していただけていると思いますし、幸せなことだと感じています。ピッチに立つ選手たちにとっても、みなさんの声援は本当に力になっています。特に、試合に勝ってサポーターのみなさんと勝利を分かち合える瞬間は、やっぱり良いなと思いますね」

ーサンフレッチェのチームメートでは、松本大弥選手や東選手が同世代に当たります。松本選手は同期入団、東選手はユースからのトップ昇格組ですが、そうした同世代の選手は、中野選手にとってどのような存在でしょうか。

「松本選手はいつも黙々と自主練をしていて、静かに闘志を燃やすタイプなのではないかと思っています。寮にご飯を食べにくることもあるので、そんな時には話をすることもあります。東選手も同世代ですが、高校卒業後にトップチームに加入していて、プロの世界では先輩に当たります。結果を残しているからこそ、高校卒業からずっとJ1のクラブで活躍できているのだと思うので、尊敬の思いもあります。ただ、やはり同い年なので『負けられないな』という風にも感じています」

ー2024シーズンはいよいよエディオンピースウイング広島がホームスタジアムとなり、今シーズン以上に、チームにも中野選手自身にも期待のかかるシーズンになると思います。ご自身のどんなプレーをファン・サポーターのみなさんに見てもらいたいと思っていますか。

「2023シーズンは少しずつ自信もつくようになって、やれることも増えてきたと感じています。これを2024シーズンも継続してやり続けることが、チームの勝利にもつながっていくのではないかと思っています。僕自身にとっても加入2年目となる2024シーズンは、より大切なシーズンになります。将来的には日本代表としてプレーすることも目標の一つなので、まずは広島で、チームにとって欠かせない選手になっていきたいです。そのためにも、ゴール、アシストという目に見える数字を出していくことが大切です。目標を叶えられるように、後悔しない結果を残していきたいと思っているので、応援よろしくお願いします」