江夏豊が圧巻の奪三振ショー

1971年の9者連続三振に続き、1980年には無死満塁の場面で3者連続三振を奪う離れ業を見せた江夏豊。

◆1980年/後楽園 江夏豊が圧巻の三者連続三振を披露

 山本浩二と衣笠祥雄のアベックアーチに匹敵するオールスターゲームの名場面としてプロ野球ファンの脳裏に刻まれているのが、阪神時代の江夏豊が1971年7月17日(阪急西宮球場・第1戦)に記録した9者連続三振だ。

 カープに移籍してからも奪三振能力は桁違いで、1980年のオールスターゲーム第3戦では、9者連続三振を彷彿とさせる圧巻のシーンを演出した。

 登板したのは9回表。2-0とリードしながら全パに1点差に詰め寄られた直後であり、しかも状況は無死満塁。前年の日本シリーズ(江夏の21球)を思い出させるような、絶体絶命のシチュエーションでのリリーフ登板だった。

 ところが、ここでも江夏は3者連続三振という離れ業でピンチを脱出。阪神時代に続くインパクト大の奪三振ショーで、見事MVPに輝いた。

左から掛布雅之(阪神)、王貞治(巨人)、山本浩二。オールスターゲームならではの豪華な3ショットだ。

◆1980年/後楽園 球団史上最多の8選手が球宴に選出!

 前年に球団初の日本一を達成するなど、第一次黄金期を迎えていたカープ。80年もペナントレースで独走状態を築き、オールスターゲームには球団史上最多となる8選手が選出された。

 選ばれたのはファン投票で山本浩二。監督推薦で山根和夫、福士敬章、北別府学、大野豊、江夏豊、髙橋慶彦、衣笠祥雄の計8選手。第一次黄金期を彩ったスター選手が、こぞって顔を揃えた。

 全セの指揮を執るのが古葉竹識監督だったことあり、この年の球宴は非常にカープ色の強い祭典となった。1980年に初出場を果たしたのは山根和夫と大野豊。それぞれが持ち味を発揮する中で、山根は第2戦での好投が評価され優秀選手賞を獲得した。