2022年、就任1年目にしてリーグ3位・天皇杯準優勝・ルヴァン杯ではクラブ初となるカップタイトルを獲得するなど、輝かしい結果を残したミヒャエル・スキッベ監督。クラブ初のドイツ人指揮官は、そのユニークなマネジメント手腕でも注目を集めた。

 今季、3年目を迎えた名将が、選手とチームをより魅力的にしていくために大切にしている考え方とは。ここでは、マネジメント論に迫った過去インタビューをお届けする。(「広島アスリートマガジン」2023年4月号から再編集して掲載)

エディオンピースウイング広島での2024シーズンも広島の指揮を執るスキッベ監督。

すべての選手に伸びしろがある。どれだけオープンになれるかがカギ

ー日本のチームを率いる中で感じた、日本人選手の良い面と、もっと伸ばしていきたい面があれば教えてください。

「日本人選手には、まだまだ伸びる可能性があると思っています。あとは、それぞれの選手がどれだけオープンになっていけるか。自分に自信を持って、『自分の持っているものをどれだけ出していくことができるか』。そこに挑戦することが重要だと考えます。選手たちがオープンになり、自分の持てるものを最大限に出していくことができるようになれば、サンフレッチェだけでなく、日本のサッカー全体がもっともっと良くなると思っています」

ー『オープンにする』とは、具体的にどのようなイメージでしょうか。また、そのために必要なことは何だとお考えですか?

「日本人選手たちは、戦術的なものも含めてしっかりと育成されています。彼らは非常にたくさんの良いものを持っているのですが、試合の中では、それらのトレーニングでやったことを置き換えるという作業が必要になってくると思っています。そして、一番のポイントになるのは、決断や、判断の部分でいかに自信を持てるかです。日本人選手は良いものを持っているにもかかわらず、自分自身の判断に勇気が持てないことによって、パフォーマンスを出しきれていない傾向があると感じました。判断に自信を持つこと、そして持っているものを出し切ること。そういった点は改善していくべき、伸ばしていくべき部分だと感じています」

ー選手とコミュニケーションを取る際、言葉の壁を感じることはあるのでしょうか。

「言葉のバリアなどは、特に感じることはありません。もちろん、選手たちと直接話ができないという部分においては残念な気持ちもありますが、言葉が異なるからこそ、通訳を介した時に、お互いに集中してコミュニケーションを取るようになると感じています。お互いに聞き逃せないので、コミュニケーションに対する集中力は上がると考えていますし、そういう意味では、言葉が異なるという点はむしろハンデではないと捉えています。それに、試合に入ってしまえば文章で話す必要はなく、単語でコミュニケーションを取れば良いので、それほど難しく感じたことはありません」

(続く)