2023年は関東地区の女子野球リーグ・ヴィーナスリーグこそ優勝を果たしたものの、他大会では悔しい結果に終わったエイジェック女子野球部。昨年からの飛躍を果たすべく、前主将の辻野玲奈からバトンを受け取った永田聖佳主将が今季に向けての思いを語ってくれた。
―まず初めに昨年1年を振り返ってどのようなシーズンでしたか？
「トーナメントの“初戦”の難しさを実感したシーズンでした。これにつきると思います。クラブ選手権も全日本選手権も両方とも初戦の入りがうまくいかず、そのまま終わってしまったイメージです。でも、それは相手も同じことなので言い訳にできないと思います。今年は一戦一戦の集中力というのを大事にしていきたいです」
―永田選手個人としては昨年はどのようなシーズンでしたか？
「個人的には年々実力はついてきているのではないかと思っています。様々なところで実感するタイミングはあるのですが、今までであれば抑えれなかった相手に対して結果を残せるようになってきました。それに伴って登板機会が増えているのはその証なのかなと思います」
―レベルアップをするにあたり、取り組んだメニューや意識したことはありますか？
「何か1つを注力したというのは正直ないです。ただ、私自身が継続的にコツコツと取り組んでいくことは苦手ではないので、日々の練習やドリル系を積み重ねていった結果だと思います」
―永田選手が見るエイジェック女子野球部はどのようなチームでしょうか？
「エイジェックは守備からリズムをつくるチームカラーです。最近の練習試合では自分たちのやりたい野球をして粘り強さが出てきているので、良い方向に来ていると思います」
―今年から主将に就任されました。主将として見るチームはいかがですか
「主将になるとチームのことを見なければいけないということですし、自分のことだけを考えられていた昨年とは身の振り方も変わると感じています。自分は投手なので、野手とは別メニューをこなすことが多く、チームの状況を把握するという点では視野の広さが必要だと感じています。まだ慣れていないので、どんどんコミュニケーションを取っていきたいと思っています」
―永田選手が思い描く理想の主将像があれば教えてください。
「自分自身がみんなの前に立って引っ張るのは苦手なので、自分の姿勢で示してチームを導けたらと思います。練習への姿勢もそうですが、社業や私生活などでの振る舞い方などを徹底することでより良いチームにしたいです」
―いよいよ『第4回 栃木市杯さくらカップ2024』の開催が近づいてきました。この大会にエイジェック女子野球部のみなさんも運営側として参加されるそうですね。
「はい。『さくらカップ』はエイジェックと栃木市の共催になるため、エイジェック女子硬式野球部のメンバーも運営に携わります。私は備品や球場の確認などを担当していて、他の部門には、広報や企画、営業とさまざまなポジションに就いて運営をしています。基本的には普段行っている社業の部門と親和性のあるポジションで各々が取り組んでいますね」
―プレーヤーとしても、運営側としても他チームの方と交流があると思いますが、『さくらカップ』の反響はいかがですか？
「さくらカップは他のヴィーナスリーグやクラブ選手権、日本選手権に比べたら歴史の浅い大会です。それでも過去に一緒にプレーしていて、さくらカップに出ている知り合いからは年末年始あたりになると連絡をもらうことが多いですね。私たちは“フリーの部”として出場しているのですが、その他にも、“高校の部”や“中学の部”などあり、小学の部と女子野球の裾野が広がる大会だと感じています。私が野球を始めた当初よりも女子野球は普及していますが、まだまだこれからだと思うので大会を通して同世代での交流をさらに深めて、より女子野球に興味を持ってくれる子が増えたらうれしいなと思います」
―プレーヤーとして出場しながら運営に携わることで何か変化はありましたか？
「自分たちが大会に出る時の意識が変わったと思います。1つひとつの大会や試合でプレーヤー時代には見えなかったことが見えるようになりました。球場やスケジュールの調整、私たちがプレーできる環境は、準備をしていただいている方がいるからこそなのだと、改めて身を持って体感しています。いまある環境は『当たり前じゃない』と思いプレーができるようになりましたね」
―先ほど女子野球の普及というお話がありましたが、永田選手が野球を始めたきっかけを教えてください。
「私が最初に野球を始めたのは幼馴染とキャッチボールをしたのが最初だと思います。小学5年生頃だったかと思います。そこから中学時代は男子に混じって野球部に所属して、高校はソフトボール兼野球部というチームの高校に進学しました」
―これからシーズンインを迎えますが、永田主将から見て、今年注目の選手はいますか？
「そうですね。1人目は吉井温愛選手です。守備も良いですし、何より活気のある選手なのでチームに良い雰囲気をもたらしてくれています。2人目は島田羽菜選手です。高卒2年目の選手ですが、他チームを見てもトップクラスの振る力を持っている選手なので今季の活躍が楽しみです」
―ソフトボールを経験してよかったと思うことはありますか？
「高校時代に感じたメリットとしてはプレーに余裕が出たことです。ソフトボールは野球に比べて塁間が短く、シビアな守備が求められるのですが、それに慣れると野球の塁間であれば投げる距離は長くなっても時間的に余裕を持ってプレーができるようになりました。そういう点は両方を取り組んでいたメリットだと思いますね」
―最後に今年の目標をお聞かせください。
「昨年取ったヴィーナスリーグは引き続き連覇できるように試合に臨んでいきたいです。クラブ選手権と全日本選手権の2大会に関しては昨年の悔しさを晴らせるように優勝が目標なのはもちろんですが、1つひとつの試合を全力で勝ち抜いてシーズン3タイトル取れるよう臨みたいと思います。応援のほどよろしくお願いいたします！」
