2022年、満田誠はそのゴールセンスと果敢なプレス、圧倒的な運動量でストライカーとして、クラブを初のカップ戦タイトル獲得へと導いた。その背中に刻まれる背番号は 『11』。誰もが認めた広島のエースだ。そして今シーズン、エースは中盤の要として、新たなポジションでさらなる進化を続けている。満田が語るゴールへの思い、タイトル獲得への決意をお届けする。(全4回の1回目)

新スタジアム元年となる2024シーズン、リーグ戦はここまで全試合にスタメン出場している。

◆攻撃はボランチがパスを受けないと始まらない

ー2024シーズン、J1リーグ序盤の戦いを振り返って、どのように感じていますか。

「まだ負けてはいませんが(4月7日の第7節終了時点)、勝ち切れていない試合もあります。引き分けの試合もそれほどやられたわけではなく、悲観する内容ではないので、そういった試合を勝ち切っていくことができれば、終盤にかけて優勝争いができると思います。それは過去2年、リーグ戦で3位になってみて感じたことです」

ー一昨年、昨年とチームの順位は3位でした。3位から優勝を目指すためには、やはり勝利が大切だと考えていますか。

「神戸戦(3月16日・△0ー0)や、G大阪戦(3月30日・△1ー1)は、相手が主導権を握る時間帯が長かったのですが、それでも引き分けでよしとするのではなく、勝ちにいく、勝ち切らなければいけない。悲観し過ぎることなく、でも全員が引き分けに満足しないことが大事だと思います」

ー今季は開幕からボランチでプレーしてきました。シャドーからポジションが変わり、どんなことを感じていますか。

「シャドーのとき、ボランチからのパスに対して、自分の動きのタイミングが難しいと感じることがありました。昨季の終盤からボランチをやってきて、シャドーがどういうタイミングで、どんなパスを出してほしいのか分かってきたと思います」

ー良い攻撃のためにボランチに求められるのは、どんなことでしょうか。

「(最終ラインから)ボランチを飛ばしたパスだと、距離が遠いので成功率が下がり、相手も奪いやすくなりますが、ボランチを経由すれば成功率も上がります。また、相手の守備が中央に絞れば外が空くし、外を意識すれば中央が空く。一つひとつのプレーの駆け引きが大事で、攻撃はボランチがパスを受けないと始まらないと感じています。ロングパス一発で裏のスペースを狙うことも必要ですが、自分たちのスタイルでは、ボランチがパスを受けて展開するプレーを、もっとやらなければいけないと感じています」