国内外から注目集まるスタジアム。そこに込められた『志』とは

 Eピースは、日本初のまちなかスタジアムとして今年2月に開業。サンフレッチェ広島のホームスタジアムとして広島を盛り上げつつ、サッカーの試合日以外の賑わい創出に力を入れている。今回の研修会は、Eピース内の会議室を会場とし、事例紹介の講師として、株式会社サンフレッチェ広島スタジアムビジネス部の種市俊也氏が登壇した。

 種市氏のガイドのもと、実際に試合が行われるピッチや選手のロッカールームのほか、音や光に敏感な方のために設けられたセンサリールームや記者席、放送席といった普段はなかなか立ち入ることのできないエリアを見学した。スタジアムを一望するプレミアムシートでは、参加者はそれぞれスマートフォンを取り出し、ピッチの景色を撮影するなど満喫していた。Eピースは、『試合日以外でも人々が集まる場でありたい』という思いから、パーティなどで利用ができるVIPラウンジなど、一般も借りることができるエリアが充実している。参加者は「ここもレンタルできるんですか」、「そんなサービスもあるんですね」と、クラブ側の工夫に声を上げていた。

 スタジアムツアーを終えた参加者は再び研修室へ。ここからは、種市氏による事例紹介が始まる。『エディオンピースウイング広島の志(こころざし)』と題した講演では、先ほど見学したスタジアムがどのような想いにより生み出されたかが、事例を交えながら紹介された。サンフレッチェ広島はEピース開業元年の今シーズン、リーグ戦総入場者数シーズン最多記録を達成。今年6月には日本代表戦を開催し、毎年8月に開催するピースマッチでは、Eピース初の国際親善試合を開催するなど、国内外から高い注目を集めてきた。音と光、特殊効果などを用いて観客を盛り上げる演出は大きな話題となり、「また足を運びたくなる」としてリピーターの獲得に成功している。また、スタジアム1階にはサンフレッチェ広島の歴史を学び、サッカーの魅力を体感できるミュージアムを併設。試合観戦だけでなく、広島の街とサッカーとのつながりを深く知ることができると好評だ。隣接エリアには試合開催日以外にも営業する施設も充実し、新たな街のにぎわいの創出に成功している。

 事例紹介、質疑応答終了後には、参加者による意見交換・名刺交換が行われ、チームの垣根を超えた交流が生まれていた。参加者からは「貴重な体験やつながりをもつことができた」、「今後は各チームを題材に意見交換ができる場もあれば」と、次回開催される研修会に向けた積極的な声が聞かれていた。