新井カープ一期生として、2022年ドラフト1位で入団した斉藤優汰。大きな期待を受けながら、2年間は二軍で鍛錬の日々を送ってきた。プロ3年目を迎えた今季、5月2日に初の一軍登録をつかんだ。ここでは、期待の長身右腕が初の一軍キャンプを経験した当時プロ2年目・2024年に語った言葉を改めて振り返る。(収録は2024年3月)

大野練習場のグラウンドで撮影に応じる斉藤優汰(撮影は2024年)

◆『もっとやらなきゃ』。改めて感じたファンからの期待

─初めての一軍キャンプを振り返ってみていかがでしたか?

「一軍の先輩方と練習できていろんなことを学べましたし、試合でも実際に投げさせてもらっていろいろな経験ができたかなと思います」

─ 一軍のキャンプではたくさんのファンが訪れます。そんな中で練習をするというのはどんな感覚でしたか?

「昨年1年間で、見られながら練習することには少し慣れたと思うのですが、一軍のキャンプだとやっぱりファンの方も多くなるので、そういう環境の中にいることで『やっぱり自分ももっとやらなきゃな』という気持ちになりました」

─ファンからの期待を感じたということですか?

「そうですね。変わらず応援してくださる方がたくさんいらっしゃったので、期待してもらっているんだなと感じました」

─以前広島の夏は暑くて大変と話していましたが、沖縄はいかがでしたか?

「だいぶ暑かったです(苦笑)。この時期に気温20度を経験することはなかなかないと思うので、そういった部分も良い経験になったと思います」

─1カ月間みっちりキャンプを経験されて、体力面ではいかがでしたか?

「自主トレを(大瀬良)大地さんと一緒にやらせてもらったりして、オフの間にしっかり準備できたと思っていました。練習後の疲れは当然ありますが、昨年のキャンプに比べれば体力がついたと思える部分はありました」

─オフに大瀬良投手の自主トレに参加されたということですが、きっかけを聞かせてください。

「フェニックスリーグで投げさせてもらっているときにあまり調子が良くなくて、結果もついてきていませんでした。ちょうどそのときに大地さんからLINEをいただいて、いろいろ相談させてもらったんです。それまであまり交流はなかったのですが、LINEで相談させてもらった流れでそのままお願いしようと思い、後日電話で直接『自主トレを一緒にさせてもらえませんか』とお願いしたところ、快諾してもらえました」

─大瀬良投手からはどんなアドバイスがあったのでしょうか。

「技術的なことはもちろん、人間として当たり前のことだったり、礼儀だとか立ち振る舞いみたいなものも教えてもらいながらトレーニングさせてもらいました」

─春季キャンプでは、黒田博樹球団アドバイザーから助言を受ける場面もありました。

「キャンプの前半、日南にいる間はもうほとんどずっとブルペンで見ていただきながら練習していたので、ブルペンに入るたびに話をさせてもらいました。オフに大地さんと一緒にフォームの修正などもしていたので、『こういうふうに取り組んでいます』という話を黒田さんにさせていただき、黒田さんからも『それでいいと思う』というふうに言っていただきました。あとは僕が意識していることが黒田さんの目線からどうに見えているかなど、その都度アドバイスをいただきながら取り組んでいました」

─新井貴浩監督からはどんなことをアドバイスされましたか?

 「バッター目線からの話などをしてもらったときに、僕の考えを新井監督に伝えると、『バッターからしたらこう思うよ』と打者目線での話をしていただきました」

─キャンプで実戦に入り、阪神との練習試合では日本一のレギュラーメンバーが並ぶ打線が相手でした。実際に対戦してみた印象を聞かせてください。

 「やっぱりバットの振りがすごく鋭いなと感じました。特に中野(拓夢)さんは印象的でした。先頭打者の前川(右京)さんにセンター前ヒットを打たれた後に、追い込んで確かツーストライクまで持っていっていたと思いますが、そこから低めの少しボール気味のストレートをしっかり流して打たれたときは、『あ、そんな感じなのか』と、ちょっとびっくりというか、あれで持っていかれるんだなと感じました」