カープ球団を支える人々にスポットを当てる本インタビュー。さまざまな立場・場所からチームに携わるスタッフの、裏側のお仕事について探っていく。現役時代カープで活躍し、現在は二軍マネージャーを務める下水流昂さん。下水流さんに、二軍マネージャーのやりがいや、若い選手たちへの思いについて聞いた。(全2回/第2回)
◆若い選手たちの成長は、マネージャーとしても見ていて楽しい
二軍とはいえ、メディアのみなさんから選手取材の依頼も多くあります。そこで一番気を遣うのが選手の体調や状況です。ただ、取材を受けることも選手の仕事でもあるので、できるだけ選手の負担のないタイミングを考えながら、メディアのみなさんの思いも汲み取りながら対応しています。
そういう意味では、広報として一番考えるのがバランスかもしれません。選手の立場もありますが、僕たちは球団してのと立場もあります。さまざまな人たちの仕事の窓口になるということは、ある意味、その仕事の中心にいるということなので、選手も含めて、みなさんに負担がないように、という事は常々考えていることかもしれません。
二軍を運営し管理していく上で、やはり若い選手たちと関わる時間は多くなります。選手時代と変わらず、家族より長く一緒にいますからね(笑)。そう考えると、若い選手みんなの成長というのは見ていて楽しいですし、選手に対して現役時代とはまた違う思い入れも出てきます。二軍マネージャーとしては、この部分が一番のやりがいと言えるかもしれないですね。
選手を経験した上で現在の仕事に携わっていると、若い選手のみんなには、選手目線だけではなくて1人の社会人としても、自覚を持ってほしいなと思うようになりました。僕の立場から大それた事は言えないですけどね(苦笑)。
また、プロ野球は厳しい世界ですので、毎年戦力外になる選手もいます。そういう選手たちを最後まで見るというのも僕たちの仕事でもあります。やはり自分も経験があるだけに、選手を見送る、新たな出発を見守るときには、寂しさも含めていろいろな気持ちがあります。
現役時代を含めて、プロ野球に関わって14年目になります。正直、選手時代は球団の裏方スタッフのみなさんがどのように動いているかが、本当に見えていなかったと思います。これまで在籍してきたカープも楽天も、「広報ってこういう事をしていたんだな」や「この仕事に関わる人は球団の中でこんなポジションなんだな」など、球団を支える方々の立ち位置が分かるようになりました。
先ほども言いましたが、二軍マネージャーという仕事はやはり『バランス』が大事だと思っています。運営として、広報として、いろいろな業務の窓口となることが多いだけに、みなさんをつないでいくような仕事と言えるかもしれません。
カープ球団にお世話になって10年を越えましたが、これまでの自分の経歴を振り返ってみても一番長くなりました。
同時に広島での生活も長くなり、自分の出身は横浜ですが第二の故郷といえます。僕にとってカープは、本当に好きな球団です。新井監督がおっしゃるようにカープは『家族一丸』な球団だと思います。僕としては、現在の立場を全うする事がチーム、球団に貢献することだと思っているので、これからも真摯に業務に向き合い、球団を支えていきたいと思っています!