カープを支える人たちは、どんな仕事をしているのか? さまざまな立場・場所からチームを支える人たちの仕事について探る本企画。今回は、カープ選手の魅力を『写真』で届けるカメラマン・石川凜さんが、 球団カメラマンのやりがいについて語ってくれた。(全2回/第2回)

球団カメラマンの石川凛さん

 マツダ スタジアムで試合がない日は、試合日に撮った写真の整理や、カープグッズ、球場グルメなどの商品撮影を行なったりしています。

 試合を撮影するカメラマンに比べると、まだまだ少ない作業かもしれませんが、自分たちで撮影したたくさんの写真をセレクトすることはとても根気のいる作業です。

 球団カメラマンという仕事のやりがいは、やはりお客様との触れ合いや、スポンサーさん、イベントを催される地域の方を撮影することが多いので、そういった方々からの反応を受け取れることです。

 「素敵に撮ってくれてありがとう」、「この前の写真見たよ」と言ってくださる方もたくさんいて、『ちゃんと自分の写真を見てくれている方が、こんなにいるんだな』と感じます。その反応がやる気につながったり、もっと良い写真を撮ろうという気になるので、とてもありがたいことです。

 強いて大変に感じることをあげるとすれば……“体力”です。もともと体を動かすのは好きですが、やはり夏場はずっと外にいるので、体力が必要になります(苦笑)。ただ、社員さんなどまわりのみなさんから気にかけていただいて、恵まれている環境だなと本当に感謝しています。

 この2年間で印象的なことを振り返ると、個人的にはドラフト会議と指名挨拶の撮影です。

 入社してからの2年間は、私が毎年行かせていただいているのですが、やはりめちゃくちゃ緊張します。特に1年目は、新井貴浩監督が見事に抽選で1位指名の常廣羽也斗投手の交渉権を引き当てられて、かなり緊張感もありました。ご存知の方も多いと思いますが、新井監督がそのあとすぐ指名挨拶に行かれるので、それも含め、毎年一番緊張する場面です。至らない点もあったのですが、今思うとやっぱり1年目からこのような経験をたくさんさせていただけるということは、とても勉強になっていると感じますし、大変ありがたいことで、感謝しています。

 普段試合をあまり撮影しない私がたまに撮影に参加すると、監督、コーチ、選手、マネージャー、裏方スタッフのみなさんがとても気さくな方々ばかりで、私にも気配りをしてくださいます。すごく雰囲気の良いチームで、優しい方が多いチームなんだなと日々感じています。新井監督が『家族一丸』と言われているように、礼儀がありながら、アットホームな雰囲気を出されていると感じます。ただその分、私はきちんと写真を撮らなきゃいけないと身が引き締まる思いにもなります。

 『写真』は視感できて、すごくわかりやすいツールだと思いますし、いかに撮影対象の魅力を写真で伝えていくかだと思っています。例えばイベントの様子なども、1枚の写真で印象がガラッと変わると思います。記録的な要素ももちろんあるのですが、みなさんがその“一瞬”を魅力的に感じてくださり、『マツダ スタジアムに行きたい! カープを応援したい!』と思ってもらえるような写真を撮ることが、私に与えられたポジションであると思っています。

 カープグッズや、スタジアムグルメなどの写真を見て、『気になった』、『買いたい』、『食べたい』と感じてもらえる方を1人でも増やせるように、魅力的な写真を撮影し、発信していきたいと思います。みなさんぜひ、球場へお越しいただき、見かけたら声をかけいただけるとうれしいです。球場でお待ちしております!

■石川 凜(いしかわ・りん)
千葉県出身
大学卒業後、2023年に広島東洋カープに入社。球団カメラマンとしてイベント、来場者フォトなどをメインに撮影している。入社3カ月で、ファンクラブ向けに実施した、東京ー広島間の貸切片道新幹線『出発Cc走!』イベントの撮影を担当。一人で初めての出張と、初めての新幹線内撮影ともあり、大変だったがこの経験がとても勉強になったそう!