準々決勝進出をかけて行われた、天皇杯ラウンド16(4回戦)広島ー清水戦は広島が快勝。前田直輝のゴールを皮切りに3得点を奪うと、準々決勝に駒を進めた。

Brew SAGA戦、藤枝MYFC戦に続き天皇杯3戦連続ゴールを決めた前田直輝(左)

 被爆80年を迎えた広島で行われる一戦を前に、両チームの選手はピッチ上で黙祷。キックオフ前には森保一日本代表監督が姿を表し、「今こうしてサポーターのみなさんがサッカーを見てくれること、サッカーに触れていただけること、そしてサッカーをすること、サッカーに関わること。平和があるからこそ好きなことができるということを感じて、平和の尊さというものを学ばせていただきました」とスピーチした。

 また、新ルール導入後、初の公式戦でもあるこの試合では、GKがボールを保持できる時間が6秒から8秒に変更になる『GKの8秒ルール』のほか、重要な事象などの場合に限り、各チームから1選手(通常はキャプテン。キャプテンが外国籍選手やGKの場合は代理者を立てることが可能)のみ主審に話しかけることができる『キャプテンオンリー』の新ルールが適用された(キャプテン以外の選手であっても、通常のやりとりは従来通り認められる)。

 18:30にキックオフした試合は、前半終了間際に広島が先制点をあげる。中盤でボールを奪った川辺駿が左サイドの中村草太へパスを通すと、中村は俊足を活かしペナルティエリア内まで侵入。ゴール前のジャーメイン良にパスを出すと、ジャーメインもここでパスを選択。相手GKとDFが自身の動きに釣られたところを、ゴール正面で構えていた前田直輝にパスを出すと、ここまで天皇杯2戦連発の前田が仕上げて先制点を奪った。

 後半14分には、田中聡のスルーパスから中村が右足で叩き込んで2点目を奪うと、さらに31分には交代で入った木下康介が、田中からの縦パスを冷静に決め3点目。その後も加藤陸次樹、ジェルマンを投入するなど最後まで攻撃の手を緩めず攻め込んだ広島が、クリーンシートで勝利を収めた。

 試合後の会見でスキッベ監督は、「今日は自分たちのチームの良いパフォーマンスが出せたと思う。特に後半は相手のつくったスペースをうまく使うことができ、そこからゴールにつなげることができた。今日は3−0で勝てたこと、そして次のラウンドに進めたことを喜びたい」と話した。

 広島は3日後、8月10日にホームで行われるリーグ第25節で再び清水と対戦。天皇杯準々決勝は8月27日に行われ、組み合わせは8月7日の抽選会で決定する。