連日、熱い戦いが続くカープ。灼熱の由宇練習場でも、一軍舞台を目指す若鯉たちが日々汗を流している。ここでは広島・瀬戸内高で技術を磨き、青森大を経て2022年育成ドラフト1位でプロ入りを果たした名原典彦をピックアップ。試行錯誤を重ねてたどり着いた『今』を語った。(取材は7月上旬)

今シーズンは二軍で35試合に出場し、打率.268をマークしている名原

 今季は故障による離脱もあり、2カ月の間、名原典彦は実戦から遠ざかっていた。

 「『課題』と言われると今は答えるのが難しいですが、感覚から全部イチから積み上げている感じです」そう話しながらも、その表情は晴れやかだ。

「僕はもともとセンスがあるタイプではないので、少しでも実戦から離れてしまうと他の選手との差を感じてしまいます。自分が『こういう動きをしたい』という理想とのギャップもあります。再現度がかなり下がっている感覚があるので、まずはそこを埋めていかなければならないと思っています」

 自らが理想とする動きを再現するために、『特訓』も重ねているという。

 「ケガをする前から取り組んできたことでもあるのですが、今、やることを変えるつもりはありません」

 地道な積み上げの末、プロ入りをつかみとった。その感覚があるからこそ、今も迷わず、理想とする再現度の向上に向けてトレーニングを重ねることができているのだろう。

「目標は、しっかり打って塁に出て、しっかりホームに帰ることです」。

 戦列復帰を果たした名原が、塁上を賑わせる日を楽しみに待ちたい。

名原典彦(なばら・のりひこ)
2000年6月24日生、広島県出身
182cm 80kg/右投右打/外野手/プロ3年目・25歳
瀬戸内高−青森大−広島(2022年育成ドラフト1位)