◆選手会の立場もプロ野球自体も、昨年とは比較にならないほど重要になっている
僕自身は「投手の場合は選手会の役職を受け持つには登板日や調整などいろいろあって難しい面があるので、会長は野手の人がやるのだろう」と思っていたんです。しかし蓋を開けてみると、全会一致で僕ということで驚きました。しかも昨年からの球界再編問題などで、選手会の立場もプロ野球自体も1年前とは比べ物にならないほど重要になってきた時期ですし、プロ野球に携わる者全体が危機感を持たないといけない時代になってきたのです。
12月からこれまで3回ほど、ファンサービスについて球団側の各担当者の方々と我々選手会役員とで話し合いを持ちました。今までは選手会と球団との間にこのような話し合いが持たれていなかった事もあり、選手としては比較的簡単に協力できる部分でも、球団側は選手に負担がかかると遠慮していた部分が多くあったようです。話し合いをもって初めて、お互いの間に今まで遠慮し合っていた部分がなくなってきたように思えました。
3回行った話し合いの中で、具体的なファンサービス案の大枠については決定しました。選手会側から球団に提案させてもらった中から『ヒーローと撮影会』、『グラウンドで試合前練習の見学』、『ホームランガールに連れられた小さい子どもが本塁打を放った選手にスラィリー人形を渡す』、『選手の使用済バットやグラブのプレゼント』の4つで、抽選方法など細かいことは日南キャンプ中にもう一度話し合うことになっています。
また他に要望したのが、試合における球場内での演出です。プロ野球である以上エンターテインメントですし、ファンに対して感動を与えたり魅了したりというのが必要だと思います。最も大事なのは僕たち選手がグラウンドでしっかり結果を出すことですが、プラスアルファで演出という部分もしっかりしてもらえればいいかなと思います。
『他球団に比べて広島が地味なのか』というと、それは観ている人の感じ方なので何とも言えませんが、そういう意見も多少は聞きました。ただ選手のモチベーションも演出によって変わってくるでしょうから、大事に考えて欲しいなと思いますね。ゲームでは選手は当然真剣にやっていくのですが、加えて効果的な演出があれば、もっと面白く、観ていて飽きない試合になるのではないでしょうか。ドキドキ+熱くなれるような、『プロ野球選手ってすごいな』と感じてもらえるような演出もして欲しいなと思っています。