◆「100じゃなくても結果を残せるように」気持ちの変化が良い方向に

ー フィジカル、メンタルともに注意を払って調整しているのですね。

黒田 精神的にも肉体的にも4日間でベストにもっていくのが理想ですが、人間がやることなので、毎回、コンディションをベストにもっていくことは難しいと思うんです。そういう中でいかにベストに近い状況に気持ちの面も含めてもっていけるかがポイントになります。100を求めない方がいい、という考え方です。今までは中6日あった中でどうしても100を求めがちでしたからね。体の状態も精神的なものも100%満たされていないと不安な気持ちがあったのですが、中4日で先発するようになって100じゃなくても結果を何とか残せるように、という気持ちで投げるようになりました。それがいい方に出ているように思います。

— 確かに今シーズンのピッチングを見ていると巧く打たせてとる、という感じにも映ります。

黒田 ある程度、ゲームを作るという感覚で投げています。今までは完璧に自分のピッチングをして、それでなおかつ勝ちたいというのがありましたからね。今はゲームの流れを考えながらピッチングするという感じです。それが中4日になってプラスに働いている部分ですね。

— 従来の剛速球投手のイメージを残しつつ、駆け引きの部分をマイルドに味付けしながら、みたいなところですか。

黒田 そうですね。ゲームの中でいろんなことを考えるようになりました。今までもありましたけど中継ぎ陣のことも考えたり、今まで以上に気を回すことが増えました。

— 相手チームに対してはどうでしょう。

黒田 マーティーはそこまでデータにこだわらない方針ですからね。もちろん守備体形などデータに沿ってやっていくものもありますが、相手バッターに対しての対策うんぬんより「先ず自分自身のピッチングをして欲しい」ということをうちのピッチャー全員が言われていますからね。だから相手バッターの話に限れば、今までの積み重ねで分かっている部分を基本にして、あとは投げていく中での感覚で勝負している傾向にありますね。ですから投げていく中で考える部分としては、今までの三振を取っていくスタイルに比べて内野ゴロが多くなった分、すごく楽しい、というかいろいろと自分の中での組み立てていこう、という感じですね。

— 開幕直後は打線との歯車がかみ合わず苦しみましたが、2試合連続完投勝ちなど、このところのピッチング内容は充実しています。110球をメドに球数制限もある中、このままのペースでいけば年間250イニングクリアも夢ではありません。

黒田 そうですね。僕としてはそれぐらい投げたい、という目標は持っています。自分自身の挑戦として、どこまで行けるかという楽しみもあります。まあ、シーズンは長いのでなかなか難しい部分もありますが、そういう気持ちでやっていけばまた新しい方向性が見えてくるかもしれません。