◆愛媛との決勝戦は先制も・・

 迎えた決勝戦は、愛媛マンダリンパイレーツ(四国アイランドリーグPlus代表)との対戦となった。初回に桃次郎が二塁打で出塁すると、二死一三塁からダブルスチールで栃木GBが1点を先制する。

 しかし、トリドール杯チャンピオンシップで徳島インディゴソックスの強力投手陣を圧倒した愛媛打線が栃木投手陣に襲いかかる。3回、5回、7回と、四球が絡んだ回はいずれも連打で複数得点を挙げ、終始愛媛ペースで試合が進んだ。追い上げたい栃木GBだったが、愛媛先発の山田空暉の前に5安打12三振に抑え込まれ、7回に1点を返すにとどまった。

 昨年に続いて準優勝に終わった栃木GBだが、攻撃力とリリーフ陣の層の厚さを武器に、日本一まであと一歩に迫った。今大会は桃次郎、楠本、鈴木、三方、ダッタの上位打線が機能したほか、堀越、竹本のWストッパーも奮闘し、エース格の清水敬太は先発とリリーフにフル回転した。

 独立リーグは毎年、戦力が大きく変わる世界だ。NPB入りを果たす選手や、移籍や引退でチームを離れる選手も少なくない。ゆえに、「二年連続の準優勝」といっても、メンバーはがらりと変わっている。実際に、決勝戦のスタメン9人中、6人が今年の新加入選手だった。

 チームの姿は大きく変わっても、チームを後押しする声援はより大きくなった。応援団の規模は日増しに大きくなり、山下徳人監督の現役時代の応援歌に合わせて踊る『山下ダンス』を踊るファンも増えていった。SNS上でも「栃木の応援は凄い」という声が聞かれるようになった。これは「栃木ゴールデンブレーブス」というチームが、栃木により深く根付いた証拠でもあるだろう。

 来年は球団発足10周年の節目だ。来季こそ「あとひとつ」をつかみ取りたい。