10月4日にエディオンピースウイング広島で開催された、2025明治安田J1リーグ第33節・サンフレッチェ広島ーFC町田ゼルビアの一戦。広島は町田に先制を許すも、劇的な逆転勝利を収めた。

88分にJリーグ初ゴールとなる同点弾を決めたキム ジュソン

 広島は前半、ワントップでスタメン出場した木下康介が9分にアクシデントで早々に交代。プラン変更を余儀なくされたが、代わって入ったジェルマンを中心に町田ゴールに圧力をかけていく。

 前半32分には、キム ジュソンのパスを塩谷司がワンタッチで田中聡へ。受けた田中は前線に上がっていた中島洋太朗に横パスを送り、最後は中島がシュートを放つも、相手GK・谷晃生に弾かれる。44分にはセンターライン付近から川辺が単独で持ち上がり右足から鋭いシュートを放つが、これも谷の好セーブ。互いに無得点のまま試合は後半へ突入した。

 後半早々、試合を動かしたのは町田・相馬勇紀。48分、前寛之からのパスを受けると左サイドをドリブルで持ち上がり、そのままゴール右下に突き刺して町田が先制に成功した。追いつきたい広島は、選手を入れ替えて町田ゴールに迫るも我慢の時間が続く。

 後半終了間際の88分、広島はCKからキム ジュソンのヘディングがネットを揺らし、土壇場で同点に追いついた。キムのJ初ゴールで流れをつかんだ広島は、5分のアディショナルタイムに突入した48分、佐々木翔がPKを獲得。負傷による長期離脱から復帰を果たしたトルガイ アルスランがキッカーを務めると、落ち着いてPKを決めて逆転に成功。わずか7分で試合をひっくり返した広島が見事に勝ち点3を獲得し、勝ち点55で並ぶ町田に競り勝ち、優勝争いに踏みとどまった。

 試合後の会見でスキッベ監督は「0ー1にされた後、自分たちはさらに前から攻め込むことができるようになった。CKやFKを取ることができ、結果的にそこから得点することもできた。自分たちが最後の最後まで、勝利を目指して諦めずに戦わなければ、こういう結果にはならなかっただろう」と激戦を振り返った。

 広島は10月8日、ルヴァン杯プライムラウンド準決勝(第1戦・ニッパツ)で横浜FCと対戦する。