ルーキーイヤーの昨季から引き続き、二軍で4番を任されているカープ林晃汰。今季チームトップの試合出場数を記録していることからも、二軍首脳陣からの変わらぬ期待の高さが伺える。

本塁打、打点でウエスタン・リーグトップの座を走る林晃汰選手。

◆ファーム二冠も、満足はしていない

 今季大きく成長したのは、打撃の安定性を獲得した点。打線の中で最もマークが厳しくなる役割ながら、コンスタントに結果を残している。

 「自分の調子が悪くても1試合に必ず1本ヒットを打てる試合が増えているというところで、手応えはあります」

 さらに打席内での余裕も徐々に出てきた。昨季シーズン前半は林自身「正直、苦しかった」と吐露するほど結果が出ずに苦しんだが、徐々にプロの投手への対応力もつくことで打席内でさまざまな試行錯誤を行うようになっていった。

「打席内での気持ちの切り替えを含めて、できることはだんだんと増えてきています。結果が出ないときは、思い切っていろいろなことを変化させてそれを試せるチャンスだと割り切って取り組んでいます」

 現在リーグトップの本塁打数をマークするなど、2年目の選手としては十分な成長を遂げているかのように見えるが、林自身はここまで残している数字に対して明確な課題を感じ取っている。

「チャンスの場面で1本が出ていない点はすごく反省しています。もっと打点をあげてチームに貢献したいです」

 本塁打同様、打点でもリーグトップの数字をマークしているが、まだまだ自身を納得させる水準には至っていないようだ。

 現在19歳の若鯉ながら、高い理想と意識を保つことができているのは、打線の中心である4番としての起用が最大の要因だろう。「4番として出場させてもらっている以上、結果を出してチームの戦力にならないと」。二軍とはいえ、チームの勝敗を担う重圧を背負いながら、日々フルスイングを貫いている。

 幸い、チームにはこれ以上ない最高のお手本が在籍している。

「やっぱり一軍で4番を打っている(鈴木)誠也さんの打席は特に気になりますし、注目していつも見ちゃいますね。他球団の打者と比較しても、打席内での余裕とか雰囲気とか……本当にすごいですよね。自分をやることをしっかりやって、いつかはあんな風に雰囲気を出せたらと思います」

 恵まれた体格から繰り出される豪打を武器に、今季2年目を迎える伸び盛りのスラッガー候補は今年こそ一軍で大アーチを架けてみせる。