5月13日の巨人戦で、カープ・中﨑翔太が史上10人目となる「100セーブ100ホールド」を達成した。球団の歴史を振り返れば、偉大な記録を打ち立ててきた名投手たちが多数存在する。

 数々の記録が打ち立てられた中でも、NPB史上わずか6人しか成し遂げていない記録が「100勝100セーブ」だ。そのひとりが、長年カープ投手陣を支え、2020年から2022年までは監督としてチームを率いた佐々岡真司だ。今回は、そんな佐々岡氏の過去インタビューを再編集してお届けする。今から23年前、「100勝100セーブ」達成の瞬間に、本人は何を思っていたのか。

(『広島アスリートマガジン2003年11月号』掲載記事を再編集)

2006年には『先発100勝100セーブ』を達成。通算成績は138勝153敗106セーブだった

◆抑えとして投げる時は、なおさら力が入ってしまう

ーまずは、100勝100セーブ達成おめでとうございます(取材は2003年10月)。開幕時にはあとセーブ3つで達成だったのですが、佐々岡投手は100セーブ達成を今年の目標にされていたのでしょうか?

「今年は1年間通して先発でやるつもりだったので、正直、セーブ記録は頭にはありませんでした。昨年も先発一本でやっていたので、『(100セーブまで)あと3個だし、いつかは達成したいな』ぐらいの感覚でした」

ー佐々岡さんは1990年の入団以来、リリーフ→先発→リリーフ→先発と務めてこられました。これはかつてチームで100勝100セーブを達成された大野豊さんと同じです。

「入団1年目は、球も今より速かったのでとにかく怖いもの無しで、無我夢中で力で勝負していました。その時の初心は今も忘れてはいけないと思っています。ただ年々1球1球の怖さを感じるようになって、当然スピードも最初の頃よりは落ちてくるわけですから、さすがに今ではそういうピッチングはできません。コントロールに気をつけて、丁寧に低め低めを突いて、打たせて取る事を心がけています。ただ、いざストッパーとしてマウンドに立ってみると、ついつい力で(笑)ねじ伏せてやろうという気持ちも、多少はありますので……」

ー9月13日・14日の横浜2連戦で連続セーブを挙げて見事100セーブを達成しましたが、両日とも1球1球に、佐々岡さんの気合が伝わってきました。

「100セーブの瞬間はやっぱり三振で決めたかったというのはありました。実際に三振を取ることができましたが、最後のボールはカーブです。ストレートで力一杯、というわけにはいかなかったですね。ストッパーの場合、先発以上に1球1球が大事だから、なおさら1球1球に力が入ってしまうんですよ(笑)」

ー先発の難しさも、ストッパーの厳しさもチームの誰よりもよくご存知だと思います。

「(先発と抑えの)両方やってきただけに、失敗した時に勝ち星を消された先発投手の気持ちも、消してしまったリリーフ投手の気持ちも、両方わかります。だからその分、勝った時の喜びややりがいは大きいですね」

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