明治安田J1百年構想リーグ・プレーオフラウンド第1戦、川崎フロンターレ戦。W杯日本代表に選出されたGK大迫敬介に代わり、広島のゴールマウスを守ったのは大内一生だった。今季途中から出場機会を得る中で、着実に経験を積んでいる。
今季松本山雅FCから完全移籍で加入した大内は、昨シーズンまではJ3の出場のみ。J1はもちろんJ2での出場経験もなかったが、神戸戦(3月27日、●1−2)でJ1守護神デビューを果たした。神戸戦では不運な判定もあり逆転負けを喫したものの、高い足元の技術と正確なフィードで存在感を示した。
地域ラウンド最終節・名古屋戦では今季2試合目の出場でホームで初スタメンを飾った。
「(ホームデビュー戦)ゴール裏の、全部紫に染まったスタンドが目に入った時に『本当にすげぇとこでやってるな』という感覚がありました。すごく楽しかったですけど、直近のチームの流れが良かったこともあって、自分が出ることでその流れが途切れたら……と考える瞬間もありました。そういう細かいプレッシャーもあって、キツいな、と感じることもありましたね」
GK王国と呼ばれる広島だからこそ味わうプレッシャーもあったという。
そして、プレーオフラウンドでは公式戦2試合連続でゴールマウスを守った。試合後、大内はまずチームとしての戦いを振り返り、一定の手応えを口にした。
「今日はほぼ自分たちの試合だったと思います。ただ、相手の力もあるので、後半はピンチが来ることは分かっていました。全員で集中して対応できたと思います」
前半に2点を奪った広島は後半押し込まれる時間もあったが、守備陣と連動しながら粘り強く対応した。その中で、個人としても落ち着いた判断が求められる場面が続いた。
「危ない場面もありましたが、中野選手が嫌なコースを切ってくれたので落ち着いて対応できました。普段からのコミュニケーションが出たシーンだったと思います」
特に後半は、相手の圧力が強まる中で一つひとつのプレー精度が問われる展開となった。セカンドボールへの対応についても、意識の徹底が見える。
「弾いたとしても相手がいないところにコントロールすることは意識しています。うまく対応できたと思います」
細部の判断が試合の流れを左右する中で、安定感は徐々に増している。J1での出場機会はまだ限られるが、試合勘の重要性も実感している。
「間隔が空くと試合勘は鈍るので、いつ出番が来てもいいように準備することを意識しています」
こうした積み重ねの中で、プレーへの落ち着きも少しずつ増している。プレーオフ第1戦目は2-1で終了。広島は先勝で第2戦へ臨む。
「そろそろクリーンシートで勝ちたいので、次の試合で達成できるように頑張ります」
経験を重ねながら、大内は守護神としての歩みを着実に進めている。

