5月30日、エディオンピースウイング広島で行われた川崎Fとの百年構想リーグ・プレーオフ第1戦は、広島が2−1で勝利を収め、ホームで大きな先勝を飾った。
地域リーグラウンド最終盤の3連勝から続く4連勝。180分で争われるプレーオフの前半戦を終えた今、広島には確かな手応えが生まれている。
その象徴とも言えるのが前線の連係だ。11分、松本泰志のスルーパスに抜け出した中村草太が冷静に流し込み先制。さらに20分には鈴木章斗とのコンビネーションから加藤陸次樹が豪快なミドルシュートを決め、広島が主導権を握った。
加藤は追加点の場面についてこう振り返る。
「鈴木選手にもう一度スルーパスを出そうと思いましたが、相手DFがそのコースを牽制したので逆にゴールが開いた。その瞬間にシュートするイメージができて、そのまま振り抜きました」
ゴール右上へ突き刺さった一撃は、本人も「当たった感触はすごく良かった」と振り返る会心のシュートだった。
今の広島は個人の力だけで戦っているわけではない。加藤はチームの現状について、「全体的に一人ひとりのつながりが良く、連動してボールを運べていました」と語る。
「チャンスも多くあったので、本当に『楽しいサッカー』だったなと思います。ここ数試合は良い連携がたくさん生まれていますし、『阿吽の呼吸』みたいなものもプレーしていて分かります。全員がどう動けば良いのか、フィーリングで分かるようになってきている気がします」(加藤)
ガウル監督がシーズンを通して求めてきた攻撃的なスタイル。その狙いが終盤戦に入り、ようやく形になりつつある。その攻撃をけん引しているのが中村草太だ。
川崎F戦のゴールで3試合連続得点。前節・名古屋戦に続き、左サイドからの切り返しでネットを揺らした。
「左の方が縦にも行けますし、得意な形かなと思います。(あの場面は)切り返す以外はないかなと思っていました」
好調の要因についても冷静に分析する。
「流れというものはあると思います。自分の状態が良くなってきたのもそうですが、チームの状態がものすごく良いので、その影響もあるかなと思っています」
個人の好調だけではなく、チーム全体の上昇気流。その中で中村の持ち味である推進力や背後への抜け出しが生きている。
一方で、勝利の裏には守備陣の粘りもあった。43分に1点を返されると、後半は川崎Fの反撃を受ける時間帯もあった。しかし、大迫敬介に代わってゴールを守る大内一生を中心に最後まで集中力を切らさなかった。
「今日はほぼ自分たちの試合だったと思います。ただ、後半は必ずピンチが来るだろうということは分かっていました。チーム全員が守備の時間も集中して、うまく対応できたかなと思います」
若き守護神の言葉通り、チーム全体で勝ち切った90分だった。これで広島はプレーオフ初戦を制し、公式戦4連勝で第2戦へ向かう。180分の戦いはまだ半分を終えたに過ぎない。それでも、苦しい時期を乗り越えた広島が、自分たちのサッカーへの確かな手応えをつかみつつあることは間違いない。
プレーオフラウンド第2戦は6月6日、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われる。

