1998年から2009年までの間、カープは12年連続Bクラスという苦境のなかにあった。Aクラス浮上、優勝に向けて監督に抜擢されたのが、現役時代はチームリーダーとしてカープを率いた野村謙二郎氏だった。
ここでは、野村謙二郎氏の監督就任初年度に収録したインタビューを再編集して紹介。現役引退後も優しく、ときには厳しくカープへの提言を続けてきた野村氏が、低迷を続けるチームの新指揮官として語っていた決意とは。
(『広島アスリートマガジン2009年12月号』掲載記事を再編集)
◆「全てを変えなければいけない」
— 野村監督にとって初となる指揮官就任です。理想とする監督像はありますか?
「どんな人も子どもの頃はお父さんやお母さんから怒られたと思いますが、大人になって自分の子どもを育てるときに、全然違う育て方をする親っていないと思うんです。子どもにかける言葉にしても、『あ、俺お父さんやお母さんと一緒のことを言ってるな』と感じると思いますし、子どもにとって嫌なことも言わなければいけない。でも、そこで初めて親の気持ちが分かるんだと思います。
僕らにとってお父さん、お母さんというのは歴代の監督であり、コーチなんです。やはり教えていただいたことが自分のスタンスになりますし、それが伝統というものではないでしょうか。今はそういう心境ですね」
— 『カープの伝統を引き継ごう』というよりは、自然とそうなるということですね。
「そうですね。本当にカープが強かったとき、優勝しているとき、常にAクラスにいたとき、僕も選手としてそのチームにいましたが、そのときに受けた指導で結果が出ている。そういう意味では、そのときの野球を目指していけば間違いはないと思っています」
— 今のカープはBクラスが続いているという状況にあります。
「全てが原因と言えると思います。走攻守、そしてチームプレー、考え方。結果が出ていないんですから直すところを挙げればキリがないですし、全てを変えなければいけません」

