レギュラー取りが期待され続ける野間峻祥が、試練のシーズンを過ごしている。西川龍馬の離脱後もスタメン定着を果たせず、外野レギュラー争いの渦中で二軍降格も味わった。

新打法を取り入れるなど、春先から打撃力向上に取り組む野間峻祥選手。

 潜在能力は折り紙付きながら、外野では新たに2年目の大盛穂が台頭。野間自身はプロ6年目で大きな試練を迎えるなか、リーグ3連覇を成し遂げた2018年当時の輝きを取り戻すべく一心不乱にバットを振り続けている。

◆一軍では結果を欲しがり、スイングが小さくなっていた

 昨季の打撃不振から抜け出し、佐々岡新体制で再びレギュラー奪取を期待されていた野間峻祥。しかし、描いていた青写真とは大きく異なるシーズンとなっているのが現状だ。

 新外国人・ピレラの加入により、激しさを増した外野レギュラー争い。そうした状況で野間は開幕から出遅れ、今季初スタメンは開幕から1カ月以上経過した8月7日の阪神戦。その後、西川龍馬の一軍登録抹消により、“1番・センター”での出場機会を得て安打を放つなど存在感を見せていたが、8月31日に一軍登録抹消。二軍では東出輝裕打撃コーチと課題の解消に務めてきた。

「野間の場合、悪い時は軸足に体重が乗っていないことが多いんです。トップがつくれていないから強く振っても当たらないんです」(東出コーチ)

 時には“バットを振る前に背番号を投手に見せつける”ほどの大胆な動きをと入れ、意識付けを行ってきた。その効果はすぐに現れ、打球の質は見違えるほど向上した。

「一軍では結果を欲しがってしまった部分があって、スイングが小さくなっていました。今思えばそれが悪循環につながっていたのだと思います」

 短期間で自らのスイングを取り戻すと、9月10日には再び一軍への切符を手に入れた。

「思い切って足を大きめにあげてから、打球を捕まえることで良い打球が飛ぶようになっています」

 野間にとって最大のライバルである2年目の大盛穂が一軍で存在感を示している。周囲も認める高い潜在能力を武器に、再びここから盛り返していく。