カープのヘルメットが紺色から赤に変わったのが1975年。以来、カープといえば『赤ヘル』としてファンの間で親しまれてきた。それから50年の時が流れ、数々の輝かしい歴史、記録、成績、そして逸話が生まれた。その栄光の影にひっそりと記されてきた『珍』記録に目を向けてみる。(全3回/第1回)
◆1日の1/4以上にも及ぶ超長時間ゲーム
2015年8月21日にマツダスタジアムで行われた巨人との一戦。予定通りの18時に幕を開けた試合が終わったのは、なんと日付が変わった0時21分。途中に雨で1時間26分の中断を挟んだこともあり、延長12回制になって最長の6時間21分。ちなみに延長11回3-4で巨人に屈し、広島駅からの終電も過ぎ、選手もファンも疲れた一戦となった。
◆まるでジェットコースターの戦績で5割をキープ
リーグ4連覇をかけた2019年、開幕戦を大瀬良大地で制し、上々のスタートを切ったかと思われた。しかし、この年は連勝連敗の波がとても激しく4連勝以上が5回(うち11連勝2回)、4連敗以上が4回(うち引き分けを挟んで11連敗1回)という極端な成績が続き、終わってみれば70勝70敗3分。勝率5割で4位という最後までハラハラな一年だった。
◆安打も四球も塁に出るのは同じ。1イニング“最多四球”
三番からライトル、山本浩二、水谷実雄、ギャレット、衣笠祥雄と名打者が並んだ1978年のカープ打線。7月6日に行われた巨人戦では、1イニングに10四球を得たという日本記録が残っている。超強力赤ヘル打線が相手とはいえ、これでは守っている巨人の野手も、見ている観客も疲れ果てたに違いない。試合は12-2でカープが完勝した。
◆両軍入り乱れての大四死球祭り。エイプリルフールの惨戦
2017年4月1日、開幕2戦目となったこの日、カープの先発は岡田明丈、対する阪神先発は岩貞祐太がマウンドに上がった。開幕戦で勝ちきれなかったカープとしては、絶対に落とせない一戦のはずだったのだが……。結果として、延長10回で両軍合わせて28四死球という試合となり、80年ぶりの1試合最多四死球の記録を更新した。