高卒2年目の中神拓都が、同期の活躍に刺激を受けながら二軍で猛練習を重ねている。

同期に負けじと、鍛錬を続ける中神拓都選手。日々の猛練習で着実に実力を伸ばしつつある。

 市立岐阜商高時代は投手と内野手の二刀流で活躍したが、カープ入団(ドラフト4位)後は内野手一本で勝負。ライバルだらけの環境下で、泥まみれになりながら日々、白球を追い続けてきた。

 同じ高卒の同期では小園海斗(ドラフト1位)、羽月隆太郎(ドラフト7位)が一軍でのプレーを経験し、林晃汰(ドラフト3位)は未昇格ながらウエスタン・リーグでトップ(9月29日時点)の本塁打を放っている。焦る気持ちがないといえば嘘になるだろうが、実戦経験を積み重ねることで徐々にプロの投手に対しての対応力を身につけてきた。

「同期で同学年の選手が一軍で活躍している姿を見るとやっぱり刺激になりますね。当然悔しいという気持ちはあります。でも、まずは自分にできることをしっかりやっていくことが大切だと思うので、悔しい気持ちを糧に今は二軍で結果を残していきたいと思います」

 プロ1年目の昨季は、プロのスピードやパワーに圧倒された。課題を解消するため、オフシーズンには意識的にウエートトレーニングに取り組んだ。地道な取り組みを重ねることで、自身の中でも打席内で力強さを感じるようになってきたという。

「打撃の力強さは上がっていますね。打球の飛距離自体も伸びています。ただミート力が、まだまだ足りないと思っています。打撃練習では打ちにいく段階でトップをうまくつくれずにスイングしてしまいます。そこを練習中から意識していますね。もちろんトップをつくるのが目的ではなく、あくまでも力強く打球を飛ばすことを念頭に置いています」

 玉木朋孝二軍内野守備・走塁コーチの熱血指導のもと鍛え上げられた守備は、「バウンドに対して体を合わせるときに、しっかりと足を使えるようになっています」と一定の手応えを感じている。同期の一軍デビューに刺激を受けながら、中神自身も攻守両面で着実に力を伸ばしている。

「今一番大切にしているのは、練習でやっていることをしっかり試合に出すことです。課題を自分の中でクリアしていければ、自然とその先が見えてくると思います。まずは目の前の目標に向かって一日一日取り組んでいきたいと思います」

 現在の目標は不必要に背伸びをすることなく、一つひとつの課題を着実にクリアすること。来たるべき日に備え、この先も背番号56が鍛錬を続けていく。