ペナントレースもいよいよ最終盤を迎えた。雨天中止となった試合の振替も影響し、厳しい過密日程が続くカープ。一つでも順位をあげるため、連日、チーム一丸となった戦いが繰り広げられている。
ここでは、カープ黄金期を支えたOB・大野豊氏が独自の視点でカープ投手陣を分析する。負けが先行してしまったその要因は一体どこにあるのか。ここまでの投手陣を振り返っていく。(第1回/全2回)
◆やはりポイントは四球。先に失点する試合が目立っていた
これまでも夏場に苦戦するシーズンが続いていたカープですが、今年も8月に6連敗を喫するなど、苦しい戦いを強いられることになりました。
今シーズンを振り返ると、開幕から8月末まで一度も勝ち越した月がありません。6月は辛うじて9勝9敗と五分に終わりましたが、それ以外の月はいずれも負けが先行してしまっている状況でした(取材時点)。
先発に勝ちのつかない試合も目立ちましたが、その要因としては『先に失点するケースが非常に多かった』ことが挙げられます。
もちろん投打の兼ね合いはあります。しかし、追いかける展開になるのと逃げる展開になるのとでは、やはりその先の試合運びも変わってくるものです。追う展開ばかりが続くと、投手も野手も苦しくなってしまいます。
では、なぜ先制点を奪われるケースが多かったのでしょうか。
今季の投手陣を見ていて感じたのは、無駄な四球がやや多いということです。無駄な四球を出せば球数も増えますし、球数が増えれば早くからリリーフを投入せざるを得なくなり、翌日以降の試合にも影響を与えてしまいます。
そういう意味では、8月から先発に転向した鈴木健矢は安定感がありました。テンポが良く制球力もあり、微妙に打者のタイミングを崩す投球もできます。そして四球が少ない。こういう投手だと守備の時間が短くなりますから、野手としても守りやすいものです。
鈴木が先発として7回、8回をコンスタントに投げることができるようになれば、これからのカープにとっても非常に心強い存在になるでしょう。
(後編へ続く)
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