かつてカープ不動のリードオフマンとして、球団史上初の3連覇に貢献した田中広輔氏。その百戦錬磨の『選球眼』は、新戦力の台頭が目立った今シーズンをどう振り返るのか。ここでは、カープ若手選手たちのプレーについて、独自視点で解説する。(全2回/第2回)
◆自分の感覚と照らし合わせ、取捨選択し、自分の引き出しにしていってほしい
今シーズンも、新井(貴浩)監督は若い選手を多く起用し、一軍に出場する機会を与えてきました。僕は、若い選手が多い今だからこそ、彼らにはベテランのプレーを見てほしいと思っています。
僕も現役時代、黒田博樹さんから「お前がマウンドに来ることに意味がある」と言ってもらったり、新井さんから「苦しい時にどう頑張れるか、みんな見てるからね」と言われたことが、今でも頭に残っています。
審判に食ってかかっていた時期もありましたが、そんな時には「明日も明後日もあるんだから、そういうのはやめなさい」と言われたこともありました。先輩方の言葉を受けて、自分を変えてきました。
若い選手同士で「俺たちは若いから」となってしまうのではなく、指摘されたことを一度自分に置き換えて考えてもらいたいのです。
そして、さまざまな動画やデータも便利ですが、そのまま真似をするのではなく、『なぜそうするのか』を考えることが大切です。自分の感覚と照らし合わせ、必要なものを取捨選択し、自分の引き出しにしていく。それが練習だと思います。
自主トレでも同じです。誰かのフォームをそのまま真似するのではなく、なぜその選手がその形になったのかを考えてほしいわけです。
トップレベルの選手には、必ずそこにたどり着くまでの『過程』があります。自分とは体も経験も違います。その違いを理解した上で、自分に必要なものを取り入れていくことが大切です。そうやって少しずつ自分の形をつくってほしいと思います。
若手選手には、今一度プロ野球選手である、というプライドを持ってほしいです。
一生懸命なのは認めます。でも、もう一段レベルアップするためには、練習から、そして普段の生活から考えることです。一軍は結果が全ての世界です。結果を出すために何をすべきかを考え続けることが、未来につながっていくと思います。そこを意識し続けてもらいたいです。
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