広島に、大きな歓声が響いた。9月28日、エディオンピースウイング広島で行われたキリンチャレンジ杯・日本代表―ベネズエラ代表戦。2万7882人が詰めかけた一戦で、日本は2-1の逆転勝利を収めた。

試合後、サポーターの声援に応える日本代表・森保一監督

 2024年以来、2年ぶりに広島で行われた日本代表戦。この日の主役の一人は、広島にゆかりの深い森保一監督だった。サンフレッチェ広島で選手、指導者として30年近くを過ごした指揮官にとって、日本代表監督として広島で指揮を執るのは今回が最後。試合前から大きな声援が送られ、『第二の故郷』での一戦に臨んだ。

 ピッチでは、サンフレッチェ広島所属の中野就斗が右WBで先発し、待望の代表デビュー。さらに前半8分には、昨季まで広島でプレーした田中聡(シャルケ)が負傷交代の熊坂光希(柏)に代わって急きょ出場した。田中にとっては昨年のE-1選手権以来の代表戦となった。

 試合は後半開始直後に先制を許したものの、直後に伊東純也(ゲンク)のクロスから上田綺世(リール)が同点ゴール。終盤には渡辺剛の負傷で10人となる苦しい展開となったが、VARによる判定変更で得たPKを上田が決め、劇的な逆転勝利を飾った。

 試合後、森保監督は広島への思いを口にした。

 「本当に広島で30年生活をさせていただいて、人として、サッカー選手として、指導者として育てていただいた」

 そして試合後、スタンドに向けて両手でハートマークをつくった。その理由を問われると、「『本当にありがとうございます』という感謝の気持ちがすごく出てきました」と語った。

 広島で過ごした30年への感謝を胸に、森保監督が最後に示したハートマーク。そこには、選手、指導者として歩んだ広島への思いと、これまで支えてきたサポーターへの感謝が込められていた。