二軍練習や合同自主トレの拠点となる大野練習場。敷地内には大野寮も併設されており、新人王候補である森下暢仁(2019年ドラフト1位)ら若鯉たちが入寮中だ。写真は今季初の合同自主トレで、先輩たちに挨拶をする2019年ドラフト組。

◆寮と練習場が近くにあるのは良いこと

 由宇練習場だけじゃなく、大野練習場にも行ったことがあります。当時、現役だった上村和裕さん(2014年引退)と交流があって、シーズンオフに一度行かせてもらったんですけど、若手選手の寮と屋内練習場、トレーニングルームもあって、素晴らしい環境でした。

 新日本プロレスも合宿所と道場が隣接しているんですけど、オレの経験上、寮と練習場が近くにあるのはスゴく良いことだと思います。自主練習をしようと思ったときもすぐにできるし、たとえば新しい技だったり動きだったり、何か試したいことがあるときも、ほかの選手に協力してもらうこともできますしね。

 ただ、当たり前ですけど、寮からの移動時間がほぼないので、ちょっと練習がイヤだなって思っていても、部屋を出たらすぐに道場に着いてしまう(苦笑)。そういうときは憂鬱にもなりましたけど、でもトータルで見たらすぐに練習できる環境があるのは、良いことだと思います。

 新弟子時代は練習するのが憂鬱になることもありましたけど、でも練習じたいがイヤだな、キツいなって思うことはなかったです。というのも、オレは新日本プロレスに入門するまで、5年間ぐらいアニマル浜口トレーニングジムに通っていたんです。アニマル浜口さんは、女子レスリングの浜口京子さんのお父さんとして有名ですけど、東京・浅草でジムを経営していて、プロレスラー志望者向けのコースもあったんです。

 とにかく浜口ジムでの練習がキツくて、みっちりと鍛えられたおかげで、入門テストのときも苦労することがなかったし、入門したあとも練習でキツいと思ったことはなかったです。むしろ「練習すれば早くデビューできるんだ、それなら早く練習したい」と思っていましたね。