山に囲まれた、のどかな風景が特徴的な由宇練習場。野球に集中するには良い環境だ。

◆由宇練習場の、あの環境は大事にしてほしい

 だから、新弟子が練習練習に付いていけないとかよく聞きますけど、オレは十分に基礎体力をつけた上で新日本プロレスに入ったので、練習で困ったことは一切なかったです。ただ、浜口ジムでは基礎体力トレーニングはもちろん、レスリング、関節技のスパーリングをすることはあっても、プロレス流の受け身の練習はやったことがありませんでした。

 浜口ジムにはリングはなくて、レスリングマットしかなかったので、入門してからプロレスのリング、ロープの硬さに慣れるのは大変でした。でもそれも毎日のように受け身を取って、ロープワークの練習をやっていたら、1カ月ぐらいで慣れましたけどね。あれ…? なんかさっきから、オレがいかに優秀な新弟子だったかっていう、自慢話みたいになっていませんか(笑)?

 今はあんまり道場には行くことはないですけど、昔と比べると道場、合宿所の雰囲気は変わったと思います。単純にオレがいたときから、合宿所がリフォームされてキレイになっているし、設備も素晴らしいと思います。

 オレが入門したときは同期がいなかったし、道場にはコーチとかもいなかったんですよ。今は若手専属のコーチもいるし、本当に環境はいいと思います。

 でも、カープに関して言えば、由宇練習場のあの環境は残してほしいと思いますね。山に囲まれて、球場の周りには何もない。野球に打ち込める環境だし、由宇を経験することで一軍の華やかな舞台への憧れもさらに大きくなると思います。正直、ずっとあそこにいたいと思う選手もなかなかいないでしょうから、若い選手のハングリー精神を刺激する意味でも、あの環境は大事にしてほしいです。