今季4勝目を狙い10月14日の巨人戦(東京ドーム)のマウンドに上がった遠藤淳志。前回登板の10月7日の阪神戦(マツダスタジアム )で約2ヶ月ぶりの勝ち星を手にした右腕だったが、波に乗り切れなかった。

 立ち上がりから苦しい投球だった。1死をとった後、2番・松原に四球を与えると、3番・坂本からタイムリー2塁打を浴びて、先制点を献上。打線がすぐさま同点に追いついたが、2回にも四球を出し、投手の高橋にタイムリー三塁打を浴び、追加点を許した。

10月14日の巨人戦で先発した遠藤淳志投手。6回途中4失点で今季5敗目を喫した。

 昨季リリーフとしてブレイクした右腕は、今季が先発挑戦1年目。思うように結果が出ない今季の投球への歯痒さは、自身が最も感じている。

「先発として長いイニングを投げなければいけないという責任感が出て、少しよそ行きな投球をになってしまったり、動揺してしまう場面が出てきてしまっています」

 不安を抱えながらの投球が表すように、開幕から先発ローテーションとして登板を続けながら勝ち星は未だ3勝にとどまっている。好投しながらも勝ち星に恵まれなかった試合があるとはいえ、昨季の投球を考えれば、まだまだ数字を伸ばせるポテンシャルは十分秘めているはずだ。

「ここまで先発として投げさせてもらう中で、やはり強い気持ちが一番大切なんだと感じています。昨季は中継ぎとして堂々と投げることができていましたが、先発で投げる中で自分に自信が持てなくなった時期もありました。だからこそ強い気持ちを持って、プレーボールがかかって1球目から自信を持ってバッターに向かって投げられるようにしたいです」 

 昨日の試合は6回途中4失点と無念の結果に終わったが、苦い経験こそが若鯉にとっては何よりも成長の糧。伸び盛りの背番号66は次回登板のマウンドで“強い気持ち”を表現してくれるはずだ。