若鯉たちのアピールが目立つカープと同様に、新日本プロレスでも上村優也選手(上)や辻陽太選手など期待のヤングライオンが続々と育っている。

◆入門したら自動的に髪を剃ってくれるものだと…

 その点、野球の場合は違いますよね。鳴り物入りのルーキーとかであれば、即戦力として早くから一軍でプレーすることもできるかもしれないけど、ドラフト下位の選手だったり、それこそ育成契約の選手は、たとえ二軍であっても試合に出られるという保証はないですから。新人選手が限られた機会のなかで結果を求められるという意味では、プロレスより野球の方がシビアだと思います。

 逆に野球にはあまりないプロレス特有の厳しさと言ったら、先輩選手のお世話もしないといけないことですかね。寮生活では雑用を含めてやることも多いし、息が詰まることもありますよね。

 もちろんそこから学ぶこともあるし、精神的な意味では鍛えられるかもしれないですけど、オレは先輩、後輩の上下関係とかがあまり好きではないので……あまり愚痴っぽくなるのもどうかと思うので、これ以上はやめておきましょう(苦笑)。

 前回のコラムでも触れましたけど、オレは新弟子時代もそんなに苦労した記憶がないんですよ。唯一、苦労話があるとすれば、入門初日に坊主にさせられたことぐらいですかね。

 そもそも入門にあたっての書類には「事前に坊主にしてきてください」とは書いてなかったし、あと新日本の選手の自伝とかを読んだときに、「入ってすぐ髪を剃られて坊主に…」みたいなことが書いてあったので、入門したら自動的に誰かが髪を剃ってくれるものだと思っていたんですよ。いま考えると、そんな訳はないと思いますけど(笑)。

 入門当日に、まず新日本の事務所で手続きをして、そのあと社員の人が車で道場まで送ってくれたんですけど、車の中でも社員の人からはとくに髪型についてはなにも言われなかったので、なんの危機感も持つことなく道場に行ったんです。

 そうしたら合宿所に入って、それこそ30秒後ぐらいに真壁刀義選手から怒鳴られました。「オマエ、なんだその髪は?」と。もちろんオレ自身は坊主にする気持ちはあったし、決してナメてたわけじゃないんです。ただ、寮に入ったら自動的に誰かが髪を剃ってくれるものだと思っていただけで(笑)。