◆「アレン対大門」。語り継がれる伝説の乱闘

 1990年6月24日の横浜スタジアムで、大門投手から背中を通るボールを投げられたアレン。球が自分に向かってきたその瞬間、大門投手へ向けて走り出していたと言っても過言ではありません。それほどのスピードでスタートを切ったアレン。逃げる大門選手を追って横浜スタジアムを駆け回りました。アレンと大門が走った動きが以下の図になります。

 

 これを見てもわかるように、逃げる大門選手もさすがです。山で熊に出会った時に逃げる方法と全く一緒で、ジグザグに逃げているのが分かります。命の危機を強く感じたと言うことなのでしょう。結果、カープに在籍していたヤングがなぜか1番キレていると言う常人には理解しがたい状況とはなりましたが、今も鮮明に記憶に残る場面です。

 後日談として、大門さんは保険会社の営業へと転身した際このエピソードを武器にグングンと出世し、今では社長さんをされているとか。あの時命の危険に晒されたことが将来自分を社長へと導くことなど、ジグザグに走っている時は夢にも思っていなかったでしょう。その場にいた達川さんがなぜか相手チームにアレンを止めろ! と影で指示を出していたのも素敵なエピソードですね。

 そんなアレンさんはその後デトロイトタイガースで解説をされ、今でも精力的に活動されているようです。Facebookでアレンさんと友達になっているのですが、このコロナ禍でも笑顔で活動されているアレンさんの姿をたくさん見ることができます。そして今回アレンさんに私が作った「アレン大門事件」のお弁当を送ってみました。

“あの名シーン”を再現した尾関氏の力作弁当

 残念ながら既読にならないと言う結果になってしまいましたが、いつかこのお弁当を現地で作って食べいただきたいものです。

 規格外の助っ人外国人のロマン、そして熊に出会った時自分はどう逃げればいいのか。そんなこと教えてくれたアレンさんなのでした。

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ザ・ギース 尾関高文(おぜきたかふみ)
広島県東広島市西条町出身のお笑い芸人、熱狂的なカープファン。好きな歴代カープ選手はロビンソン・チェコ投手。 2012年に出演したアメトーーク「広島カープ芸人」で、「カープ OB の北別府さんはブログのコメントに全て返信する」と語り、北別府氏のブログを炎上させた経験を持つ。

[尾関高文公式Twitter] @geeseojeck