10月29日のヤクルト戦(マツダスタジアム)で、高卒2年目のカープ田中法彦がプロ初登板。1イニングを無失点に抑える好投をみせた。

プロ初登板を飾ったカープ田中法彦選手。ヤクルト打線を三者凡退に抑える投球で首脳陣の期待に応えた。

 3点ビハインドの6回からマウンドへ上がると、先頭の廣岡大志を2球でレフトフライに打ち取りプロ初のアウトカウントを奪った。続く古賀優大には、5球すべてストレートの真っ向勝負を挑みレフトフライ。2死からは代打・長岡秀樹を2球で簡単に追い込みながら粘られフルカウントに。しかし根負けせず、7球目の直球でショートゴロに打ち取った。

 10月16日に一軍に昇格してからようやく迎えたデビュー戦は、1イニング14球を投げて無失点。ヤクルト打線を三者凡退に抑え、上々のデビューを果たした。

「今年は特にストレートの質を意識しています。シュート回転する球が多かったのですが、徐々にきれいな回転の球を投げられるようになってきました」

 キレの良い進化した直球を武器とする高卒2年目右腕は、昨季二軍で4試合の登板に終わったものの、今季は一軍昇格までに25試合に登板。主にストッパーを託され、1勝1敗12セーブ、防御率1.73と安定した数字を残し、初の一軍昇格を掴んた。

「ここ数年はアドゥワ(誠)さんや遠藤(淳志)さんなど、カープでは高卒2年目の投手が活躍しているので、その波に乗れるようにがんばります」

 シーズンも残りわずかとなったタイミングで迎えた一軍での初登板。一軍デビュー戦で結果を残したことで、次のチャンスが巡ってくる。高卒から躍進を遂げた先輩投手の背中を目標に、一軍の舞台でも貪欲に結果を求めていく。