10月29日のヤクルト戦(マツダスタジアム)で、今季のカープ投手陣を支える若手中継ぎ陣が無失点リレーを見せた。

10月29日のヤクルト戦で1イニングを無失点に抑えた塹江敦哉選手。これで3試合連続無失点と安定感が戻ってきた。

 3点を追う7回に登板した島内颯太郎は、先頭の塩見泰隆に死球を与えたものの、山田哲人から三振を奪うなど無失点で切り抜けた。同点で迎えた続く8回にはここ2試合失点が続いていたケムナがマウンドに。2つの四球を与えるなど1死一、二塁とピンチを招いたが、粘りの投球で3試合ぶりの無失点投球と見せた。

 なお同点で迎えた9回には塹江敦哉が登板。ケムナ同様に一、二塁の状況となったが、最後は宮本丈をサードライナーに打ち取り無失点で切り抜けた。

「試合の流れを引き戻せるように、全力で投げて抑えて、味方打線にリズム良くつなげられるようにということを意識しています」

 ケムナがそう話すように、ビハインドや同点の場面でリリーフ陣が意識しているのは、攻撃に勢いを与える投球だ。今季、セットアッパーを任されてきた塹江も「相手に流れを渡さないために抑える方法をもっと突き詰めて考えていかなければいけないと思っています」とコメントするなど、試行錯誤を続けながら今季を過ごしてきた。

 中﨑翔太や今村猛など、リーグ3連覇を支えた経験豊富なリリーフ投手が不調で二軍での調整を余儀なくされるなか、10月29日の試合を終えた段階で、塹江はチームトップの50試合、ケムナは38試合、島内は35試合に登板し、ブルペンを支えている。

 3人ともに力強いストレートが持ち味のパワーピッチャー。可能性を感じさせる全力投球がチームの希望の光となっている。一軍での居場所を確立するため、若きリリーバー達は残り試合も必死に腕を振っていく。