カープは11月4日の巨人戦(マツダスタジアム)に快勝し、今季初の6連勝を飾った。しかし、中日と阪神がそれぞれ勝利したため、2年連続でのBクラスが確定した。

今季からカープ一軍監督に就任した佐々岡真司監督。V奪回の使命は、来季に持ち越しとなった。

 現役で18年、コーチとして5年、カープ一筋23年の佐々岡真司氏を新監督に迎え挑んだ球団創立70周年の記念シーズンは、2年連続で巨人にリーグ優勝を許す、悔しいシーズンとなった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で6月19日に開幕した2020年のプロ野球。カープは開幕戦をエース大瀬良大地の完投勝利でとると、6月は、5勝3敗(1分け)とまずまずのスタートを切った。しかし、7月は7勝15敗(3分け)と大きく負け越し。開幕からの課題だった守護神が決まらず、先発ローテの柱として期待していた左腕K.ジョンソンの不調が響いた。

 8月こそ12勝12敗(2分け)の五分の戦いをみせるも、大瀬良が手術で離脱した9月は、9勝15敗(2分)と、7月に続き負け越し、上位争いから脱落。リリーフ陣の不調とともに、西川龍馬など野手の主力にケガ人が出たことも影響を及ぼした。

 それでも10月・11月は、ルーキー・森下暢仁など、若い力の活躍もあり17勝9敗(4分け)。10月27日からは今季初の6連勝を飾るなど、「13」あった借金は「4」まで減り、勝率5割でシーズンを終える可能性が出てきたのは心強い。

「投手は投手、野手は野手、ではなく、投手も野手もお互いに助け合いです。選手、コーチ、裏方さんとすべてが一つになって戦えるチームをつくれる監督でありたい」

 『一体感』をテーマに挑んだ佐々岡監督の就任1年目。残念ながらV奪回とはならなかったが、シーズン終盤の戦いは、来季への期待を感じさせるものを見せた。リーグ優勝、そして悲願の日本一へ。現役時代からチームへの高い貢献を示してきた佐々岡監督に託された想いが、来年花咲くことを期待したい。