カープ遠藤淳志が、11月4日の巨人戦(マツダスタジアム)で先発。プロ初完封は逃したが、9回1失点の好投で、プロ2度目の完投勝利で5勝目を挙げた。

今季5勝目をプロ2度目の完投勝利で飾った遠藤淳志投手。巨人打線を9回1失点に抑える好投を見せた。

 決して順調な立ち上がりではなかった。課題とされている初回からの入りは、毎回ランナーを背負い、球数も3回までに59球を要したが、勝負どころで三振を奪うなど、序盤を無失点スタート。3回までスコアボードに「0」を並べたことで波に乗った。

 4回を9球、5回を10球で三者凡退に抑えるなど、4回以降は強気のピッチングで巨人打線を封じ込めた。先制直後の6回、2死三塁のピンチを迎えたが、岡本和真を空振り三振にとり無失点。試合展開を左右する場面でも直球で押す強気のピッチングを崩さず、巨人の4番を翻弄した。

 9回に1点を奪われ、惜しくもプロ初完封は叶わなかったが、1人でマウンドを守りきり、8月2日の巨人戦に続く今シーズン2度目の完投勝利。125球を投げて7三振。四球も初回の先頭打者に与えた1つのみと安定感も抜群だった。

「先輩方からは『1イニング1イニング、1人1人全力で勝負していって、スタミナが切れたらそれで仕方ないから、そこからまた課題を見つけていければいい』とアドバイスをいただいています。なので、1イニング毎回、全力投球で投げていくという気持ちを忘れないようにしています」

 この日の勝利で、前回登板の10月28日のヤクルト戦(7回1失点)に続く白星。9月は勝ち星を挙げられなかったが、10月以降は3勝の活躍で、先発初挑戦のシーズンで確かな足跡を残した。

 開幕から一度も先発ローテを外れることなく投げ抜いたのは、昨日、規定投球回を達成した九里亜蓮と遠藤の2人だけ。前例のないシーズンを投げ抜いた、高卒3年目右腕の成長は、来季以降に必ずつながっていくはずだ。