今季最終戦となった11日の中日戦に登板した九里亜蓮投手。

 カープ九里亜蓮が、チームとしての最終戦となった11月11日の中日戦(マツダスタジアム)で先発。今季9勝目とはならなかったが、魂のこもった129球の熱投をみせ、最後までマウンドに立ち続けた。

 初回は三者凡退で終えるも2回以降は毎回のようにランナーを背負う苦しいピッチング。5回は2死から連打を浴びて先制を許し、中日に試合の主導権を奪われた。しかし、背番号12の真骨頂とも言える粘り強さを発揮し、味方の反撃を待った。

 球数が100球を超えてもマウンドを守り続け、迎えた9回。連続四球をきっかけに招いた2死二、三塁のピンチで8番・桂依央利にタイムリーを打たれたが、最後まで逃げることなく攻め抜いた。

「常に最後まで投げたいという気持ちを持ってマウンドに上がっていますし、そこはずっと変わらない気持ちですね。なので完投への意識は常に高く持ってやっていきたいと思っています」

 大瀬良大地やK.ジョンソン、野村祐輔など、先発ローテを引っ張ることを期待された主力投手が軒並み離脱した苦しいシーズン。開幕から一度も外れることなく先発ローテを守ったのは九里亜蓮と遠藤淳志の2人だけ。先発である以上、常に完投を意識してマウンドに上がり続けた九里は、チームトップの投球回(130.2回)を投げ、プロ入り初の規定投球回を達成した。

 「後輩も増えてきているので、引っ張っていけるような存在になりたい。そして、一番はチームを勝ちに導けるような投球を続けていきたいと思っています」

 フルシーズン先発投手として完走し、カープ先発陣の柱に成長した背番号12。チームトップの先発数、投球回を重ねた経験を糧にして、来季は二桁勝利、そしてV奪回に挑む。