昨夏の福井県大会で、大会記録を更新する52奪三振を奪い注目を集めた玉村昇悟。プロ1年目の今季はまず三軍でみっちりと体づくりに取り組んだ。アドゥワ誠や遠藤淳志など、一軍でブレイクを果たした先輩投手たちと同じ道を歩み、玉村も2年目以降の飛躍を目指すこととなった。

貴重な左腕として、来季に向けての飛躍が期待されている玉村昇悟投手。

「体重は3キロ、筋肉量も1キロくらい増えてウエートの重量も増えました。体幹が強くなって、投げるときのブレは少なくなってきたように思います。打者の反応とかはもっと見ていきたい部分はありますけど、自分の投球に少しでも変化があることを実感できれば良いかなと思います」

 長らく実戦から遠ざかることで「調整の難しさを感じた」という玉村だが、11月1日のウエスタン・リーグ最終戦(由宇/中日戦)で待望の実戦登板を経験した。結果は先頭打者の根尾昂から6連続で安打を許し、1死も奪えずに降板。自責点3とホロ苦いデビュー戦になったが、まだプロ1年目。下を向く必要は全くない。

「フェニックス・リーグで実戦が増えていくと思うので、それをしっかり自分の力に変えたいです」

 自らの言葉を実証するように、11月10日の巨人戦(天福)では1イニングを無失点(2奪三振)。プロ初先発となった13日の日本ハム戦(天福)も、3回1失点4奪三振の力投を見せた。

 ただ、今は目先の結果よりも、経験を積み重ねることの方が何よりも重要。一軍デビューを果たした先輩投手たちの背中を追い鍛錬を積むのみだ。

「年齢の近い先輩がたくさん一軍に上がっているので、自分も早く一軍に上がりたいです。来季は一軍で投げられるように頑張ります」

 近年、高卒2年目投手の飛躍が目立つカープだけに、二軍で結果を残せば来季中の一軍昇格も夢ではない。