今季初戦の横浜FC戦(ルヴァン杯)から、東俊希がコンスタントに試合出場を続けている。9月後半からはスタメン出場の機会も急増。リーグ戦初ゴールを決めるなど、随所で存在感を示している。20歳の期待のレフティーが、コロナ禍で揺れる激動のシーズンを振り返る。

サンフレッチェユース出身の東俊希選手。東京五輪世代の期待のレフティーだ。

◆もっと結果を残さないとダメだと思っています

― このところスタメン出場の機会が増えてきましたが、ご自身ではここまでのシーズンをどう捉えていますか?

 「確かに最近はスタメンで出場できるようになってきましたけど、それでは全く満足していなくて、もっと結果を残さないとダメだと思っています。満足できるような結果を残せてないので、今はそこでもがいているような状況ですね。ただ、ここで結果を残せばもっともっと上に行けるという思いで今はプレーしています」

― 途中出場とはいえ今季は初戦(ルヴァン杯、横浜FC戦)から出場機会を得て、リーグ戦第1節(鹿島戦)では東選手のパスカットからショートカウンターによる3点目が生まれました。最高の形でシーズンに入れたのではないですか?

 「仮に初戦からスタメンで出ていたとしても、やれる自信はありました。ただ、まだ監督とかの信頼を勝ち取っていない部分があったので、短い時間とはいえ出場した試合で結果を残すことだけを考えてプレーしていました。実際、その後にスタメンに選ばれたときも、そこで結果を出さないと次の試合でスタメンを外されることもありましたし。なので今は毎試合が勝負だと思っています」

― しかし幸先良く結果を出した直後に、新型コロナウイルスの感染拡大で公式戦が延期となりました。

 「サッカーができないのはすごく辛かったんですけど、こういうときに自分と向き合うことで周りの人と差がつくと思いながら毎日を過ごしていました。やるべきことは自分なりにやっていたと思うので、コロナによる延期自体はすごく残念でしたけど充実した日々を過ごせたと思います。何が起こってももう動じないというか、考え方次第で何事もプラスになると思っています」

― せっかくなので少し前の話にはなりますが、具体的にはどのような感じで中断期間を過ごしていたのですか?

 「外になかなか出ることができなかったので、本をたくさん読んだり英語を結構、勉強していました。内容としては自己啓発の本が多いですね」